「みんな危ないよ!」傷ついた魚から仲間への警報物質を発見 理研と東大
成果は米生物学誌「カレントバイオロジー」電子版に2月29日掲載された。研究は科学技術振興機構(JST)戦略的創造研究推進事業、日本学術振興会科学研究費助成事業、三菱財団自然科学研究助成、花王の助成を受けた。
成果は魚類のみならず、脊椎動物のにおいによる忌避行動や、社会コミュニケーションにおけるにおいの役割の理解にもつながると期待される。警報物質や餌のにおい、フェロモンなどを組み合わせると狙った魚の行動を制御できるため、漁業や外来魚駆除にも役立ちそうだという。
自らは大きい魚に襲われて傷つき、あるいは命を奪われながらも、体を張って仲間を助ける魚たち。彼らへの理解が深まる研究成果に、何だか胸が熱くなった。より高等な生物である以上、私たちは互いを思いやり、助け合いを大切にしたいものだ。 (草下健夫/サイエンスポータル編集部)