国際イベントでも実践!廃プラのリサイクル・リユースのトップランナーに聞く、プラごみの現在地
海洋プラスチックの回収やリサイクルに取り組む「テラサイクル」と循環型リユースプラットフォーム「Loop」の日本法人代表であるエリック・カワバタ氏。前回、前々回は、日本や世界各地で行ってきた環境保全の取り組みについて伺った。 【写真11点】「廃プラのリサイクル・リユースのトップランナーに聞く、海洋プラごみの現在地」を写真でチェック
そして最終回となる今回は、プラごみの現在地とカワバタ氏が今後挑戦したいことをインタビュー。誰でも実践できる、環境保全への一歩を教えてもらった。
着々と進む、プラごみの再利用
ーー海洋保全について、数年前に比べ改善している点はありますか? エリック・カワバタ氏(以下エリック) 以前よりも、海洋プラスチックの問題を意識する人が増えていると感じます。テラサイクルでも自治体や企業に向けた、海洋プラスチックゴミの回収・リサイクルのプログラムが広まってきています。 ーーリサイクル活動が広がる背景には、何かきっかけがあったのでしょうか? エリック 2017年に世界経済フォーラムのダボス会議で、本国(アメリカ)のテラサイクルが携わった海洋プラスチックを使った製品が発表されました。これが驚くほどの反響があり、国連から世の中に変化を起こしたと表彰されました。
ーー日本では、そのような海洋プラスチックから製品容器を作った例はありますか? エリック あります。2019年に販売したP&Gジャパンの台所用洗剤ジョイの製品です。長崎県対馬の海岸で回収した海洋プラスチックごみを再生し、ボトルの原料として再利用しました。また、回収した大きなポリタンクから作ったリサイクルプラスチックは、スーパーの買い物かごに変わり、九州のイオンに設置してもらいました。
その経緯として、先ほどお話しした海外の事例を受け、まずは日本の海洋プラスチックゴミの量を調査したんです。すると対馬や五島、福江など島々にプラゴミが流れついていることがわかったんです。 この島々は、漂着したゴミを九州に送って焼却していたそうで、コストもかかっていたといいます。そこで、私たちテラサイクルがゴミからリサイクルプラスチックを創出する試みを提案したところ、快く協力してくれました。