キャンピングカーをリノベで「動く別荘」に! 週末バンライフで暮らしながら家族と九州の絶景めぐり
居住性を高めるのは素材感。住宅用の無垢材、家具屋のソファを採用
「動く家」にするということは、すなわち「居住性を高める」こと。そのため、プランニングでは手触り、心地よさなど素材感を活かすことにしようと思い至ったといいます。
リノベ前の写真。室内から運転席を見たところ。
「内装の雰囲気の参考にするため、キャンピングカーショーを訪れるなどし、かなりの数のキャンピングカーを見学しました。そのなかで気がついたのは、家らしさというのは、やはり素材ということ。自動車改装用パーツで木っぽい見た目にするのは容易ですが、やっぱりどこか工業用部品なんです。ですから、今回は住宅用の建材を使おうと。床や壁にはたくさん木材を使っていますが、突板(スライスした天然木をシート状にして加工したもの)を貼っていますし、塗装も住宅用、照明はダウンライトです。ソファなども車用ではなくて家具屋さんに依頼しました」と中川さん。
ソファベッドをソファとテーブルを囲む椅子にした状態(左)とベッドにした状態(右)の間取図。バス・キッチン・トイレ。動線も考えられた、まさに家。
狭い空間だからこそ、目に入るもの、手や足で触れるものの素材感が大事というのは、わかる気がします。また、空間がコンパクトになることから、省スペースで小さく作られていることが多い船舶用パーツを採用したとか。 「施工に関しては、普通の住宅のリノベとほぼ同様の工程です。残せる部分は残しつつ、施工する床やソファなど既存のものは剥がしています。床はヘリンボーン(角が90度になっている貼り方)なので、座席と接する面など、細かな部分は職人さんも苦労したと思います」(中川さん)
こうしてみると手仕事でできているのがわかります。
施工にかかったのは約1カ月半、費用は130万円ほど。通常、リノベーションでは職人さんが現地に赴いて作業を行いますが、そこは車なので、なんと職人さんの庭に移動してきて作業をしたそう。大工さんも家ではなく車に施工するとは、きっと貴重な機会になったことでしょう。