『若草物語』“涼”堀田真由と“かなえ”筒井真理子が運命の出会い 他の姉妹にも変化が
脚本家としての大きな一歩を踏み出した涼(堀田真由)
一方で、かなえの指示に従いアプリでの“リサーチ”のために外出した涼だが、ようやくマッチした人と実際に顔を合わせると、癖が強すぎて話の通じない人ばかり。ため息をつく涼は、同様にアプリでの出会いに苦戦している彩乃(木﨑ゆりあ)と出くわす。彩乃は、男性とのアポイントメントを繰り返すも、心惹かれる人が全く見つからず、アプリから抜け出せないでいた。 涼はそんな彩乃の様子を、現代のリアルな恋愛の悩みとしてかなえに伝える。しかし、かなえが求めていたのは、あくまで恋愛ドラマに登場させたくなるような、リアルな男性の調査。執筆が思うように進まないため、かなえはプロデューサーから第1話を若手の脚本家に任せるよう打診されていたのだ。 追い込まれたかなえが怒りながら自作の脚本を投げ捨てるシーンは、思わずクスッと笑ってしまうようなユーモラスな場面でもあったが、真っ直ぐで一生懸命な彼女の“脚本愛”も伝わってくるような気がした。涼の師匠はこの人しかいない。筒井真理子の演技には、創作のプロフェッショナルとしてのプライドや情熱が随所に垣間見えていたのではないだろうか。 そんな中、かなえ自身も本格的な恋愛経験がないことが明らかになる。学生時代の一度きりの交際経験を何度も脚本に活用していたというかなえ。しかし、それが逆に、律が言うところの「初恋のような瑞々しさ」を作品にもたらしていたのかもしれない。 最後には、涼のアイデアをもとに“普通”の男性キャラクターを本命にし、「当て馬くんの恋が実る話」を書くことで状況を打開したかなえだが、そのモデルはまさかの律だった。涼は3話目以降のプロットを任されることになり、脚本家としての大きな一歩を踏み出した。 第3話では、ハローワークで働く恵(仁村紗和)が、同僚の佐倉(酒井若菜)もまた上司からセクハラまがいのメッセージを受けていると知ったり、芽(畑芽育)が沼田(深田竜生)の自宅がボロアパートであることを知ったりと他の姉妹にも変化が。相変わらず、衿(長濱ねる)の所在はわからないまま。だが第3話を踏まえると、いずれ後半の回で涼が脚本を書き、芽が衣装を作ったドラマで衿が主演を務めるのではないかと想像してしまう。 恋愛経験のないかなえと、結婚をしないと決めている涼が作り出す恋愛ドラマは、果たしてどんなものになるのだろうか。“当て馬”こと律との現実の恋の行方とともに、最終話まで見守りたい。
すなくじら