僕、中学受験したい!息子の希望を叶えてあげたいけれど…40歳母、塾の年間授業料「小5で89万」に撃沈→「小6は150万」で絶望したワケ「パートに出たほうがいいのかな」【CFPの助言】
聡美さん(40歳)には小学校5年生の息子がいます。中学受験を考えているものの、塾にかかる費用に驚くばかりです。このままでは家計を圧迫することは目に見えています。今回は、CFPなどの資格を持つトータルマネーコンサルタントの新井智美さんが、中学受験にかかる費用や費用が不足する場合の工面方法について解説します。 【早見表】がんの「平均治療費」はいくら?…120の疾病別、入院治療費/入院外治療費
小学校5年生の塾代はどのくらい?
聡美さん(40歳)の子どもは、小学校に入ってからサッカー教室に通うほどのサッカー好き。しかし、小学校5年生になったときに、友達の影響からか「中学受験をしたい」と言ってきました。もちろん親としては子どもの夢を応援したいと思うものですが、通おうと思う中学受験専門の塾から取り寄せた資料を見て驚愕しました。 通おうとしている塾の資料によると、毎月の塾代は約6万円です。公立の小学校は一番お金がかからない時期とはいえ、サッカー教室に通う費用の数倍です。費用の内訳を見てみると、年間にかかる塾代は11ヶ月分となっており、8月は別途夏期講習が行われるとのこと。それでも、週3回の塾代だけで66万円かかることになります。 そして、気になる夏期講習費用が15万円、さらに冬期講習は5万円と、春期講習は3万円。つまり合計で年間89万円かかるわけです。
小学校6年生になるとさらに費用が増えることに
6年生になると、平日の週3回に加えて土日も授業があるため、その分毎月の塾代は高くなります。5年生のときでは6万円だった塾代が7万円に、さらに6年生になると通常の夏期講習や春期講習、冬期講習に加え、志望校別の集中授業も加わります。その結果、6年生で必要になる塾代の合計は150万円にものぼることが分かりました。
私立に通うとなるとその後の費用も必要
私立中学に通うとなると、公立中学以上に費用がかかります。通常、公立中学に3年間通う場合の費用は約54万円ですが、私立中学だと約140万円※1。約3倍の開きがあります。 聡美さんは5年生の間の塾代は何とか生活費から捻出できるものの、6年生の1年間でかかる150万円をどう捻出しようか悩んでいます。もちろんパートにでる出ることも考えていますが、その際には「103万円の壁」なども考慮しなければなりません。 学資保険の満期は18歳に設定しており、それまで使うつもりはありませんので、聡美さんはそれまでに貯めていた児童手当※2を塾代に充てることにしました。それでも足りない部分は夫が会社の財計貯蓄制度※3を利用していたため、それから切り崩すことにしました。 また、この機会に「なぜ中学受験したいのか?」「サッカーとの両立はどうするのか?」など、家族で話し合うことにしました。中学受験をする子は低学年の頃から塾に通っている子が少なくなくありません。ママ友に何気なく中学受験の話をしたところ、「どこを目指すかによるけれど……。今から入るのって遅いって思ったほうがいいよ。うちは小学4年生から通い出したけれど、正直子供も親もかなり大変。生半可な覚悟じゃ乗り越えられないよ!」と釘を刺されました。 中学受験には思った以上の費用がかかります。周りの影響や家の方針で私立中学に通わせることを考えるケースもあるでしょう。その際には、何歳から塾に通わせるのか、また中学受験が終わるまでにどのくらいの費用がかかるのかをあらかじめ把握しておきましょう。 もちろん、その際には複数の塾の費用を比較するほか、特別授業の全てに参加するのかどうかも考えながら最終的に通わせる塾を選ぶことも忘れないようにしてください。 そのうえで不足分をどう工面するのかを考え、早めに行動することが大切です。 ■参考 ※1: 調査結果の概要 ※2: もっと子育て応援!児童手当|こども家庭庁 ※3: mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000106564.html 新井智美 トータルマネーコンサルタント CFP
新井 智美