眼下に広がる“日本アルプスの紅葉”を満喫!新潟発の新たな航空会社「トキエア」って何? 機内で味わった“感動フライト”とは
新たに誕生した独立系航空会社
新潟を拠点にする新たな航空会社「トキエア」が2024年1月、新潟-札幌・丘珠路線を皮切りに運行を開始しました。 【画像】ジェット機にはないプロペラ機での旅 新潟発の「トキエア」のフライトを写真で見る(20枚)
日本のエアラインは大半がJALかANAの傘下に入っていますが、その両社とはまったく関係がない独立系航空会社として営業を開始したのはフジドリームエアラインズ(静岡市)以来15年ぶりになるとのことです。 そうした中、このトキエアが9月27日、4月に就航した新潟-仙台に続く3路線目となる新潟-名古屋(中部)路線が就航。紅葉に染まり始めた日本アルプスの風景を眼下に見ながら、1時間20分の空の旅をさっそく体験して参りました。 ◆新潟空港へ向かう途中、思いがけなくBYD製EVバスに乗客として試乗 搭乗した日は秋晴れの爽やかな10月21日。新潟駅で空港行きのバスを待っていると、さっそくプチ嬉しい出来事が。やって来たのはBYDのEVバス「K8」だったのです。 運航している新潟交通によれば、この路線には2023年3月より2台が投入されているそうで、静かな乗り心地が高評価とのこと。実際、ディーゼル車なら相応の音となる40km/hを超えた付近からはEVらしい静粛性を実感することができました。 乗車後、運転手に話を聞いてみると「スタート時はとても力強くて楽に走れるのがポイントですね。ただ、速度の伸びを実感できるのは50キロ程度まで。それ以上はあまり必要性は感じないのですが、そこから最高速度の70キロまでの伸びはイマイチ」とのこと。とはいえ、発進の良さはEVならではの魅力で、路線バスには欠かせないポイントなんだと思います。 ◆新潟-中部国際へは週4日、各日程とも2往復で就航 のっけから思いがけない乗りものに遭遇し、いよいよ新潟空港へ。 この日、搭乗する便名は13時10分発の「BV403」。ちなみにこのIATA 2レターコード“BV”には「Bravo Victory(ブラボー・ビクトリー)」を意味が込められているそうです。新潟-名古屋(中部国際空港)路線の運航曜日は月・金・土・日の週4日で、各日程とも2往復ずつ運航します。 トキエアのチェックインカウンターはANA/JAL/FDAが並ぶ国内線カウンターの一番左側にありました。一般的にはスマホなどで事前チェックインしておくことが多いと思いますが、このカウンターでは荷物を預けると同時にチェックインも行えます。 チェックインを終えたら出発ロビーがある2階へと移動。ここには土産物店や喫茶店が並び、カードラウンジ「エアリウム・ラウンジ」もあります。 ◆ジェット機とは違うマイルドな加速でフワッと浮き上がる 中部国際空港へ向かう機材(JA02QQ)は、12時27分、ほぼ定刻で新潟空港に到着。ハンドリングを担当する日本航空のスタッフによって、12時55分、搭乗開始がアナウンスされ、ボーディングブリッジを使わず徒歩で機体まで向かいました。空港のエプロンを直接歩いて、機体を間近で見ることができるのは地方空港ならではの醍醐味です。 ATR72-600は前方が荷物室となっており、乗客は機体後方から乗り込みます。座席は通路を挟んで左右2列、全18列の72席で、私が選んだシートは富士山が見えると案内された進行方向左側の「2A」。非常口席のひとつ後ろです。 シートは紺色の革張りで、後方へのリクライニングが可能。3月1日に初運航した機材だけに、機内にはまだ“新車の香り”が漂っており、それだけでもウキウキとした気分になれます。 13時10分、機体は定刻通りに扉を閉め、ほどなく滑走路へ向かいました。そして6分後の13時16分、機体はプロペラの回転を上げて滑走路の西側から東へ向けて飛び立ちました。 プロペラ機なので、発進時はジェット機のようなゴォーッという音ではなく、ブォーンという、どちらかといえば心地よいサウンドを奏でます。加速もマイルドで、加速がついたところでフワッと浮き上がる感じです。シートに押さえつけられるような感覚のジェット機とはこのあたりが違います。 ◆佐渡島から妙高戸隠連山へ向かい、眼下には色づき始めた紅葉が 一旦東へ向かった機体は、高度が上がったところで左へ旋回。左手には新潟空港とその周辺を取り巻く新潟市内が一望でき、その中には萬代橋も見えて来ました。 そして、機体は佐渡島上空へ向かったところで、シートベルトサインが消え、ここでパイロットの挨拶があった後、男性CAによる観光ガイドが始まりました。佐渡金山が世界遺産に選ばれた話や島の特産などを紹介するなど、他のエアラインではないユニークさが体験できました。 また、別のCAとの会話の中で、私の居住地が成田に近いことを伝えると、「トキエアが次に就航するのは佐渡-成田になる可能性が高いので、次はぜひ成田から佐渡島を訪れてみて下さい」とのPRもしっかりいただきました。 そして、機体は再び本州へと向かい、妙高戸隠連山公立公園上空へ。ここで実感したのは連なる山との距離がとても近いことです。 これまで日本アルプスは機内から何度も見てきましたが、ジェット機だっただけに高度は8000m以上になっていることがほとんど。それが今回はプロペラ機ということで、高度もそれほど高くなく、山間の風景や色づき始めた紅葉が目の前に観ることができたのです。 やがて遠くには富士山の陰も見えるようになると、今度は手前には諏訪湖が眼下に。フライト当日の天候が良かった幸運もありますが、このフライトではこの絶景が次々と巡ってきたのです。