世界的ショコラティエに密着! ジャン=ポール・エヴァンさんが「星のや京都」で過ごす休日
◆夕食
いよいよ、おまちかねの夕食です。ふるまわれるのは、京都に集まる豊かな食材をふんだんに使い、伝統のなかにも遊び心を表現した、約10品から成る「嵐峡の滋味」。星のや和食統括料理長の石井義博さんが、ダイニングでエヴァンさんをにこやかに迎えてくれました。 この日の料理は、鱧や鮎をはじめ、夏の京都ならではの美味がいっぱい。先附として提供される「緑珠」は、素麺と雲丹の上に、旨みたっぷりの鮑のやわらか煮をのせ、緑鮮やかなおくらとろろをかけたひと品。仕上げにふりかけたレモンの皮のすりおろしがさわやかに香り、さっぱり、するりといただけます。 向附は、イサキの「なめろう」。桂むきにして塩水に浸けたキュウリのなかに、たたいたイサキを入れ、セミドライトマトと有馬山椒、オレガノ、ニンニクオイルを隠し味に。南京ハゼの葉の下に隠された、スダチを絞っていただきます。 「夏なのでさっぱり召し上がっていただきたいと思い、なめろうには一般的にアジが使われるところ、視点を変えてイサキを主役にイタリアの食材を混ぜ込みました。セミドライトマトには旨みがあるので、魚を昆布締めにするのに近い感覚です」と、石井さん。有馬山椒が心地よいアクセントを添えます。 焼き物は、鮎の「炭火焼」。「星のや京都」の庭と目の前を流れる大堰川を表現した美しいプレゼンテーションと、躍動感あふれ今にも泳ぎ出しそうな鮎に、エヴァンさんの目も釘づけに。スマートフォンを取り出し、撮影の手が止まりません。 「少し甘みがあって旨みが強い海塩を使い、生きたまま届いた鮎に串を打ち、炭火でふっくら焼き上げました」と、石井さん。 エヴァンさんは頭からアユをかじり、「とても繊細で、カリッとよく焼けていますね。骨まで全部いただけて、本当においしいです」と、顔をほころばせました。実は、添えられた蓼酢にも秘密が。「実は、オリーブオイルが入っているんです」と、石井さん。エヴァンさんも、「このソース(蓼酢)をつけると、別の味が引き出されますね。おいしい! いつもは蓼酢があまり好きじゃないけれど、これは本当においしい」と、すっかり気に入った様子でした。 嵐峡の滋味 料金 24,200円/1名(サービス料込)