堅守で宇都宮に快勝、群馬クレインサンダーズが藤井祐眞が語る手応え「これを自分たちのモノにできれば武器になる」
「相手の嫌なタイミングに決められる選手になりたい」
自身のオフェンスについては「僕がシュートを決めたタイミングで相手がタイムアウトを取りました。相手にとって嫌な、自分たちにとって良いタイミングでシュートを決められたと思います」と語り、スタッツよりも重視していることがあると続けた。 「空いたら(シュートを)打ちますが、コントロールすべき時はそちらを優先させ、できるだけチームのスタイルに合わせています。スタッツにこだわりはないです。相手の嫌なタイミングに決められる選手になりたいので、2桁得点をコンスタントに取ることより、1本のシュートで流れを変えたいという思いが強いです」 Bリーグでは開幕から不動の先発を務めている藤井だが、この日はベンチスタートだった。だが、シックスマンとしての経験が豊富な彼は「違和感なく普通でした」と話す。そして、レギュラーシーズンMVP受賞経験のある藤井、現役ドイツ代表のティーマンが揃ってベンチから出てくる群馬の層の厚さは、対戦相手にとって脅威だ。 攻守に渡ってチームの期待に応えた藤井だが、自身のプレーよりも自分に変わって先発出場したコー・フリッピンの活躍を強調する。「今日、コーが出だしからエネルギッシュにプレーしてくれました。アタックして比江島選手の(第1クォーターで)2つ目のファウルを誘ってくれました。ニュービル選手にもタフにディフェンスをしてくれて、僕もあれくらいやらないといけないと感じました」 コーのステップアップに加え、運に恵まれた部分があるにせよリーグ随一のスコアラーコンビであるD.J・ニュービルを4得点、比江島慎を0得点とまったく仕事をさせなかったのは、群馬にとって大きな経験だ。藤井は言う。「ニュービル選手と比江島選手はめちゃくちゃ不調でしたけど、もっとできる選手です。そこで2人を抑えられたのは大きいです。これを自信にして次に繋げたいです」 個々のハードワークによる堅い1対1に加え、スイッチディフェンスを織り交ぜる多彩さも発揮したこの日の群馬は、藤井が「今日はハマった感覚があります」と語るように、チームの理想とするディフェンスをかなり体現した。 「まだまだな部分がありますけど、もっと突き詰めてやっていきたい。これを自分たちのモノにできれば武器になります」。自分たちが取り組んでいるディフェンスにより自信を深めたという意味でも、大きな価値ある勝利となった。
鈴木栄一