フリーランス協会が関西で活動開始「自分らしく働くために」
多様な働き方を支援するため今年設立された一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会(東京都中央区、平田麻莉代表理事)が関西地区で活動を開始した。関西で仕事に取り組むコアメンバーが集まり、今後の活動方針を協議。「組織の枠にとらわれずに自分らしく働ける社会を目指す」をテーマに、ワーカー向けの働き方見本市や企業向けセミナーなどの開催に向け、準備を進めることを決めた。自分らしく働くために、ワーカー自身がアクションを起こし、仲間と連携して社会へ訴えていく時代を迎えたようだ。 本末転倒な「働き方改革」、生産性を犠牲にしてでも労働時間を減らせ?
ワーカー向けに働き方見本市を開催へ
大阪市内で開かれたミーティングには、10人あまりのワーカーが参加。自身の働き方や問題意識などを報告した後、自由討議を展開。ワーカー向けに多様な働き方の実例を紹介する働き方見本市のようなイベントを開催するアイデアや、企業を対象にワーカーの柔軟な働き方を認める制度の導入を促すセミナーを実施するプランが提案され、来春開催を目標に、準備を進めることが決定した。 会社勤めか自営業か、フルタイムかパートタイムか。従来の二元論を超えた働き方が芽生え始めている。会社の枠にとらわれず、自由に挑戦していくつもの実績を積み上げていくのが、パラレルキャリアという働き方。パラレルワークに取り組んでいるワーカーを「複業家」とも呼ぶ。 たとえば企業団体に所属しながらも担当業務を一部セーブし、外部でまったく異なるジャンルの仕事に挑戦してもいい。あるいは自由業でありながら、ある程度まとまった専門知識や技能などを特定の企業団体に提供して生活資金を確保し、残りの時間を使って自身の夢の実現へ全力を尽くす。ひとりで何枚もの名刺を使い分けながら、支えてくれる企業団体に一定の成果をもたらしつつ、自己実現や社会貢献にも同時に向き合っていく働き方だ。 パラレルキャリアは、企業団体にとっても有益な要素が多い。将来を託すべき貴重な戦力に「ここでは夢が実現できそうにない」と辞められてはもったいない。複業を認める人事制度を導入することで、優秀な人材の流出を防ぐとともに、自由な職場風土が新たな人材の採用にもつながる。人材が外部の空気にふれながら働くと、硬直しがちな組織に新しい風を吹き込む。 ミドルシニア世代の仕事量を軽減して社外での活動を容認することで、定年退職後のセカンドライフ創造を支援するとともに、ミドルシニア世代の仕事量が減った分を、子育てを終えた女性ワーカーが補うことで、女性の社会復帰を後押しする相乗効果を生み出す。ワーカーにとっても企業団体にとっても、自身の目標に向けて身の回りにある要素を上手に組み合わせて生かす編集能力が試される時代ともいえるかもしれない。