【MotoGP】マルティン、タイトル逃すも今季の結果誇る「僕らは歴史に残ることをやったし、後半戦では僕が最強だった」
ホルヘ・マルティン(プラマック)は2023年のMotoGPチャンピオンを最終戦まで争ったが、最終的には2位でシーズンを終えた。フランチェスコ・バニャイヤ(ドゥカティ)に連覇を許す形となったが、マルティンとしては後半戦は自分が最強だったと感じているという。 マルティンは最終戦バレンシアGPに、バニャイヤに対して21ポイント差のランキング2番手という立場で挑んだ。スプリントレースで勝利しバニャイヤとの差を14ポイントに縮めたマルティンだったが、決勝レースでは序盤にバニャイヤと先頭を争いながらも、ミスからポジションをダウン。さらにその後追い上げを目指す中でマルク・マルケス(レプソル・ホンダ)と絡んで転倒リタイア。チャンピオンには手が届かなかった。 レース後、マルティンはバニャイヤの連覇を祝福。ただシーズン後半戦では自分が最強だったと感じていると話すなど、満足感も覗かせた。 「ペッコ(バニャイヤ)におめでとうと言いたい。彼はチャンピオンに値するし、今シーズンは素晴らしい仕事をしてきたと思う。ドゥカティとしても嬉しいことだろう」 「自分自身について言うと、今日は泣けるような1日だったかもしれない。でも、もう忘れたよ」 「今はもうそういった気持ちじゃないんだ。サテライトチームに所属しつつ僕らが成し遂げた結果を祝うべき1日のように感じている」 「僕らは歴史に残るコトをやったんだ。(スプリント合わせて)13勝して、表彰台も何度か分からないほど立ったし、レースでも何周か分からないほど先頭を引っ張った。今シーズンは素晴らしい仕事ができたと思う」 「僕が考えていた目標はトップ3だった。だからそれ以上の結果を成し遂げたんだ」 「チャンピオンシップを手に入れられそうになっていたら、それを失いたくないと思うだろう。でも今日、僕はチャンピオンシップを失ったとは思っていない」 「正直、21ポイント差でここに来ていたのが大きな問題だったんだ。でもシーズン後半戦から今までは、僕が最も強かったように感じられているよ」 なおマルティンはバレンシアGP決勝の3周目にターン1で止まりきれなかったのは、スリップストリームの影響だったと説明。そしてそこからの追い上げる中では、6番手を争ったマーベリック・ビニャーレス(アプリリア)が過度にアグレッシブだったとも批判している。 「ああ、あそこではペッコをオーバーテイクしようとしていたんだ」 「本当に複雑な場所なんだけど、レースを動かすにはベストなポジションだと僕は思っていた」 「でも複雑でリスクも高すぎると分かって、後ろに付こうとしたんだ。だけどスリップストリームに吸われてしまった」 「彼を押し出したら酷いクラッシュになると思って、それは避けようとした。ただアウトサイドは凄くスリッピーだったんだ。その後はカムバックしようと頑張って、タイヤをマネジメントしながらもプッシュして凄く良いペースで走れたと思う」 「マーベリックがしていたことは、よく分からなかった。僕はチャンピオンシップを争っていて、彼は6番手を争っていたんだ」 「だから僕を抜いても意味はなかったと思う。それに、僕は他のライダーよりもずっと強かったと思う」 「まあ、僕も人のことは言えないかも知れないけどね。マーベリックを抜いた後は忍耐強く行くべきだった」 「すぐにマルクを追い抜こうとしていたんだ。ポジションを奪えたと思ったんだけど、彼はブレーキをリリースして、もう追い抜いてコーナーに入った時にラインを閉めてしまったように感じられた。できることはなかった」 「接触でクラッシュして残念だよ」 マルティンはもし今シーズンのチャンピオンを手にしていたならば、ドゥカティのファクトリーチームに昇格することが決まっていたと言われる。結果的に2位だったため、今ではその可能性は低くなっていると思われる。 ただマルティンはそのチャンスのために、自分自身の価値を十分に証明できたと考えている。そしてドゥカティがそれを認めないなら、昇格することは決して無いだろうと語った。 来年のファクトリー昇格の可能性があると思うかと尋ねられたマルティンは「そうは思わない」と答え、更に次のように続けた。 「僕は自分のいる場所に満足している。たとえ勝っていたとしても、(昇格は)意味がないと思う。なぜなら(タイトルを)勝ち取ったなら、それはベストチームにいることになるからだ。そして、僕はベストチームにいると思う」 「正直に言うと、“赤”になるためのポテンシャルを今だに彼らに示せていないというのなら、僕は決して“赤”にはならないだろう。これ以上の結果は本当に困難なモノだからだ」 「最終戦まで挑んで、2位でフィニッシュした。もしこれで彼らが(ファクトリーに)入れてくれなかったのなら、いずれにしても僕をそこに置くつもりはないんだろうね」
Lewis Duncan