ローソンが目指す「新しいコンビニ」とは? ローソン、KDDI・三菱商事と「共同経営」体制へ 今回の狙い、何がどう便利になる? 専門家が解説
◆競合他社が築く「経済圏」への対抗も狙いか
吉田:今回の共同経営での可能性、そして狙いは何だと思いますか? 塚越:やはり「デジタルをリアル店舗に使いたい」ということが狙いです。ECの配送は早くなっていますが、全国のローソンから商品を配送するならもっと早くなるので、Eコマースに本格的に参加したいと述べています。こうした技術をKDDIとの連携で強めたいというところなので、これは実際に強化していくだろうなと思います。 さらにいえば、KDDIは競合他社が、いわゆる“経済圏”を構築していることに対抗したいと考えられます。楽天モバイルは、楽天市場などの楽天経済圏がありますよね。ソフトバンクも「Yahoo!ショッピング」などで顧客の囲い込みがあります。KDDIにも「au PAY マーケット」などがありますが、ドコモのd払いなどと比べても、ちょっと弱い。ローソンには「Ponta」というポイントもありますが、これも正直、競合他社と比べるとちょっと弱いです。「両社の提携で経済圏を強化したい」、ここが一番の狙いだと私は思います。
◆「ローソンに行くと面白い!」と思えるものを作れるのか?
ユージ:ローソンの竹増貞信(たけます・さだのぶ)社長は、GoogleやAmazonなど「GAFA」に並ぶ企業を目指すという目標も掲げていますが、いかがでしょうか? 塚越:「GAFA」に並ぶというと、まだ厳しいのかなと思います。今回の発表でいろいろやりたいことが分かりましたが、(楽天やYahooのような)経済圏を作るにしても、具体的な話となると、オンライン服薬など、どれだけ(実現)可能か計画していかないと(判断が)難しいのかなと思います。ビッグテックには立ち向かえないのかなとも思います。 ただ、通信業界がここまでリアル店舗と手を組むことはめずらしいので、ドコモやソフトバンクがやっていないことに挑戦する意気込みは感じます。日本が人口減少するなかで、コンビニ業界も頭打ちです。そのようななかで、何かできるのか? というチャレンジは面白いと思います。「ローソンに行くと面白い!」と思えるものを作れるかどうか、ここにかける意気込みはいいかなと思います。 ユージ:そこは興味深いところですね。 (TOKYO FM「ONE MORNING」2024年2月15日(木)放送より)