出資者の吉利と百度が尻ぬぐい。中国新興EV「極越汽車」、突然の破綻宣告で大騒動
中国自動車大手の吉利汽車(Geely Automobile)と中国ネット検索最大手の百度(バイドゥ)が手を組んで設立したEV(電気自動車)メーカー「極越汽車(Jiyue Auto)」が経営難に陥り、事業を停止した。 極越汽車の夏一平・ 最高経営責任者(CEO)は12月11日、会社の経営が困難な状況に直面しており、早急な事業再編が必要だと予告なしで突然発表。同社の口座はすでに凍結されており、11月分から従業員の社会保険料納付を中断し、12月分の給与支給も延期すると明らかにした。(詳細は関連記事にて) 事業再編を発表した翌日、夏CEOは本社に詰めかけた多くの従業員に取り囲まれ、一部の従業員は現場の様子をライブ配信するなど混乱が広がった。夏氏は極越汽車の閉鎖や操業停止を否定し、引き続き資金調達に向けて努力すると強調したが、従業員の高まった感情を鎮めることはできなかった。 カオス状態になった極越汽車に対して、株主の吉利汽車と百度は12月13日に沈黙を破り、ついに以下のような共同声明を発表した。 極越汽車(旧、集度汽車)は両社が出資・設立した新興自動車企業で、自動車のスマート化に向けて革新的な製品開発を模索してきた。しかし、業界の競争環境が大きく変化したため、既定の事業計画を実行できず、経営難に直面している。吉利汽車は株主として極越汽車の経営陣を積極的にサポートし、関連する課題に適切に対応する。具体的には、まず従業員の社会保険料納付と離職者補償の問題を最優先で解決する。また、ユーザーが所有する車両の正常な使用を維持するため、アフターサービスを継続する。その他の問題についても、合理的かつ合法的な解決を推し進める。 (36Kr Japan編集部)