【ブエルタ・ア・エスパーニャ2024 レースレポート:第5ステージ】唯一の平坦ステージでパヴェル・ビットネルが大金星! ワウトやグローブスに先着し「仲間の“今日はできる”との言葉を信じていたんだ!」
「信じられないよ。数日前にプロ初勝利を挙げたばかりなのに、初出場のブエルタで勝ってしまうなんて……。ロングスプリントで勝てたことにも驚いているよ。なにせ、相手は世界最高のロングスプリンターであるワウトだからね。実感できるまでかなり時間が必要だよ(笑)」(ビットネル)
ニューヒーローは、これがグランツールデビューの21歳。前哨戦のブエルタ・ア・ブルゴスでは、ステージ2勝を挙げてポイント賞を獲得していた。スプリントで進境著しいけど、今季前半はワンデーレースを中心にプログラムをこなしていて、パリ~ルーベでは29位。ジュニア時代にはタイムトライアルでも活躍し、独走力を生かすフィジカルも有する。
「自分をスプリンターとは考えていなくて、クラシック向きの脚質だと思っている。将来的にスプリントを狙っていくかはまだ分からない。いずれにしても大きな自信になるね。僕だけでなく、チョコ人ライダーがみんな“やれるんだ!”という思いを持ってくれるとうれしいよ」(ビットネル)
2位で終えたワウトは、最終局面で冷静さを失っていたことを認める。
「スプリントまでの動きは予定通りだった。カーデン(グローブス)の後ろから加速するところまでは良かったけど、スプリントをするにはタイミングが早すぎた。それに、誰が追ってきているのかが分からなくて、慌ててハンドルを投げてしまったんだ。エキサイトしすぎて大きなミスを犯してしまった」(ワウト・ファンアールト)
それでも、ワウトはポイント賞争いでグローブスとの得点差を広げることに成功。両者の差は13点となっている。
このステージは、150位までが集団でレースを完了。フィニッシュ前の救済は鋭角コーナーが連続した最後の4kmを対象とする特例がなされ、この間にパンクトラブルに見舞われていたミケル・ランダ(ティーレックス・クイックステップ)も同タイム扱いになっている。
マイヨ・ロホでレースに臨んだプリモシュ・ログリッチ(レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)もトラブルなく走り終えて、ジャージをキープ。次の第6ステージもレースリーダーを務める。
「暑さにさらされながらもゆっくり走るのと、速く走って風を受けるのと、どっちが楽なのか分からなかったよ。それくらい今日は暑かった。いずれにしても、無事に走り終えられて良かったよ」(プリモシュ・ログリッチ) 文:福光 俊介
福光 俊介
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