金利上昇で注目の定期預金と個人向け国債、より賢く活用するには?
定期預金と個人向け国債の特徴とは?
マイナス金利が今年3月に解除されて以来、徐々にではありますが、定期預金や個人向け国債の金利が上昇してきており、元本割れせずに堅実にお金をためたいという人からあらためて注目を集めています。そこで今回は、定期預金と個人向け国債の特徴と、より賢く活用する方法についてお話しします。 【表】個人向け国債の種類 まずは、定期預金と個人向け国債のそれぞれの特徴について見ていきましょう。 【定期預金】 定期預金は、数か月~数年などと、あらかじめ期間を決めて金融機関に預ける預金商品です。定期預金には、大きく分けて以下の三つの種類があります。 ◇一般定期預金…あらかじめ期間を決めて、まとまった金額を満期まで一括で預け入れる定期預金。金融機関や商品により、最低の預入額や期間の設定が異なります。 ◇大口定期預金…1000万円以上を預け入れる定期預金。預入期間は、1か月から10年程度です。 ◇積立定期預金…毎月一定額ずつ積み立てる定期預金。毎月決まった日に普通預金口座から定期預金口座に自動で積み立てます。 定期預金は通常、同じ銀行の普通預金よりも金利が高く設定されています。預ける金額が多く、預ける期間が長いほど、金利が高い傾向がありますが、金融機関によっては、預入当初の金利を高く設定しているところもあります。 定期預金は、満期の際の設定で「元利継続(利息も元本に加えて、同じ定期預金を継続する)」を選択すると、満期時に利息も運用にまわす複利効果を享受することができます。 また、定期預金には元本保証があり、万が一、金融機関が破綻しても、同じ金融機関に預けた預金の残高などと合わせて元本1000万円までが保護され、その利息も保護されます。 なお、定期預金は中途解約をすることもできます。ただ、その場合には本来の定期預金の金利よりも低い金利が適用されてしまいます。 【個人向け国債】 個人向け国債は、国がお金を借りるために発行している債券を、個人でも買いやすいようにした金融商品のこと。債券は、お金を借りるための「借用証書」のようなものだと思うと分かりやすいでしょう。 個人向け国債は毎月発行されており、最低購入価格の1万円から1万円単位で購入できます。半年に1度、利息が受け取れ、満期になると元本が戻ってきます。 個人向け国債には「固定3年」「固定5年」「変動10年」の三つのタイプがあります。 「固定」「変動」は金利のしくみのこと。「固定」は、利率が満期まで変わらずに利息がもらえ、「変動」は、利率が半年に1度、見直されて変動することを表します。また年数は、お金を貸す期間(満期になるまでの期間)のことです。それぞれ3年後・5年後・10年後に満期を迎えることを表します。 満期前でも、発行後1年が経過すれば、いつでも中途換金できます。このとき、直近2回の金利が差し引かれてしまいますが、元本割れはしません。 個人向け国債の金利はこのところ上昇傾向にあります。たとえば、2024年12月発行の個人向け国債の金利(適用利率・税引き前)は「変動10年=0.65%(前年11月は0.60%)」「固定5年=0.60%(同0.42%)」「固定3年=0.49%(同0.19%)」となっています。 個人向け国債の利子は、現金で口座に入金されます。個人向け国債は、満期が来たら、受け取るのは元本だけです。定期預金のように、利子を再び元本に再投資して運用することはできません。