第39回21世紀国際書展 グランプリに片岡竹彩さん 「次の自分の理想に向け頑張りたい」
書芸術を通じて国際交流と次代を担う書家の育成を目指す公募展「第39回21世紀国際書展」(主催・産経新聞社、21世紀国際書会)の入賞者が選考の結果、決まった。十分な書歴や実績を持つ審査会員を対象とした特別大賞では、最高位のグランプリに川崎市の片岡竹彩(ちくさい)さん(69)が選ばれた。自由民主党総裁賞には藤沢市の桜井峰心(ほうしん)さん(53)、中国大使館文化部賞は横浜市の森玉桂(ぎょくけい)さん(58)、韓国大使館韓国文化院賞は横浜市の北川雅翠(がすい)さん(58)がそれぞれ選出された。 グランプリを受賞した片岡さんは「大きな賞をいただき、本当に驚いています。(受賞作の)『生年不満百』は『人生は短いから、いま一生懸命遊びましょう』という意味の古詩で、とても楽しい詩だと気に入っています。(受賞を糧に)次の自分の理想に向けて頑張りたいと思います」と喜びを語った。 自民党総裁賞の桜井さんは「受賞の知らせをいただいた時は頭の中が真っ白になるほど驚きました。最近、呼吸を意識して、書き方が変わってきたと実感したところでの受賞でしたので感慨深いです。恩師の坂本香心先生から『継続は力なり』といつも言われていて、その結果だと感謝しています」と話した。 韓国大使館韓国文化院賞の北川さんは「身に余る賞をいただき、私で良かったのだろうかと思う一方で、『これからも書の勉強をしなさい』という叱咤(しった)激励でもあるのだろうと感じています。(受賞は)指導している子供たちへの励みになります。書道を好きになる心の芽生えにつながればと思います」と語った。 一方、文科大臣賞の金剛さんは「大きな賞を受賞できて驚いています。作品の裏にある情景を思い浮かべ、それぞれの線に魂を込めて仕上げました。(師事する)斎藤香坡先生の作品を拝見すると、毎回、ハッとしますが、私も観る方が息をのむような作品をつくりたいと思っています」と話した。 応募作品の中で最も優秀と認められた大賞の文部科学大臣賞は、第1部門(漢字)が横浜市の金剛琢蒼(たくそう)さん(46)、第2部門(かな、刻字など)は小田原市の佐野和邑(わゆう)さん(83)がそれぞれ選ばれた。