「年末は稼ぎ時」とバイトに勤しむ大学生の息子。年間収入が「100万円」を超えそうとのことですが、親の税金が高くならないでしょうか?
年末は多くの学生がアルバイトに精を出す時期でしょう。親にとって、子どもの頑張りを見るのはうれしいものです。 しかし、その一方で無視できないのは税金の問題です。子どもの年間収入が100万円を超えそうだと聞くと、親としては自分たちの税負担が増えるのではないかと心配になるかもしれません。 この記事では、子どもの収入が親の負担する税金に与える影響についてまとめました。 ▼扶養内で働いてるけど、労働時間が「週20時間」を越えてしまった!「社会保険」に加入する必要はある?
子どものアルバイト収入と親の税金の関係
子どもの収入が影響を与える可能性があるのは、扶養控除の適用に関してです。国税庁によると、扶養控除とは、納税者に所得税法上の控除対象扶養親族がいる場合に受けられる一定額の所得控除のことです。扶養している親族の年齢、同居の有無などによって38万円~63万円の控除が受けられます。 扶養に入れるには所得要件もあり、年間の合計所得金額が48万円以下、給与のみの場合は年間の給与収入が103万円以下でなければなりません。もし子どもの年間収入が100万円を超えそうなケースでは、扶養控除の適用が危うくなる可能性があるということです。 ■「103万円の壁」とは 「103万円の壁」という言葉を聞いたことがある方も多いでしょう。これは、年収が103万円を超えると、超えた分に対して本人に所得税が課税される基準を指します。 さらに前述の通り、控除対象の扶養親族となっている家族の年間収入が103万円を超えると扶養控除が適用されなくなり、扶養者の税負担が増加するため注意が必要です。 ■なぜ「103万円」? 給与所得は、給与などの収入金額から給与所得控除を差し引いて算出します。給与所得控除額は、給与などの収入金額に応じて異なり、国税庁によれば162万5000円までの場合は55万円です。 また、所得税額の計算をする際に総所得金額などから差し引くことのできる控除に基礎控除があります。同じく国税庁によれば、基礎控除額は合計所得金額が2400万円以下の場合48万円となっています。 もし子どものその年の給与収入が103万円を超える場合、給与所得控除と基礎控除の金額を超えるため本人に所得税が課税されることとなり、同時に扶養親族に該当する所得要件にも当てはまらなくなるため、扶養者である親の税金が増えることになるのです。 ■「特定扶養親族」が扶養を外れた場合 控除対象扶養親族のうち、その年の12月31日時点の年齢が19歳以上23歳未満の方は「特定扶養親族」となります。該当者がいると、納税者は63万円の所得控除が受けられます。 今回の事例では、「大学生の息子のアルバイト収入が1年間で100万円を超えそう」とのことですが、もし特定扶養親族の子どもの給与収入が年間103万円を超えると、特定扶養親族の扶養控除が受けられません。そのため、親の所得税の税負担は増加するでしょう。