香港民主派指導者ら45人に禁錮4~10年…国安法違反判決、活動に決定的な打撃
事件では、一斉摘発から判決が出るまで3年以上かかった。香港では逮捕後に保釈が認められるのが通例だったが、勾留が続いた人が多数いたことも、「司法の中国化」を象徴している。
被告であり検察側の証人になった立法会の元議員はさほど量刑の軽減となっておらず、従来は情状酌量されたケースでも、国家安全にかかわる犯罪ではその対象となりにくいとみられる。中国政府から名指しで非難されてきた民主活動家の黄之鋒氏の量刑(4年8月)に、香港政府が満足しているかどうかは分からない。検察側は控訴する可能性が残っている。
世論調査などによれば、民主的な価値観を支持する香港の人は今も相当数いるが、中国による統制が進んだ政治制度下で、民主派議員や政党は活動できなくなっている。民主派最大政党だった民主党は、議員が一人もいなくなった。党費収入も断たれ、もって数年のうちに資金が尽きるだろう。香港民主派には一切展望がない状況だ。(聞き手・国際部 吉岡みゆき)