料理はお母さんがすること? 料理代行の注文も「100%母親から」 家事分担のモヤモヤ #令和の親
6月23日~29日は男女共同参画週間。女性の社会進出やジェンダー平等が叫ばれる今の時代ですが、依然身の回りには男女間の格差や「モヤモヤ」が多数存在します。 例えば家庭内の「家事分担」。中でも「料理」は、“おふくろの味”など、昔からとりわけ“母親の役割”という意識が強く残ります。果たして「料理」はお母さんだけが担当するものなのでしょうか? 料理はお母さんがすること? 料理代行の注文も「100%母親から」 家事分担のモヤモヤ #令和の親
■保育園栄養士から“料理代行”事業者に転身…ある女性の疑問
「きょうはロールキャベツにしようかな」 キッチンに立ちテキパキと作業を進めるのは、島根県松江市に住む稲田幸恵さん(30)。ロールキャベツにミルクスープ、野菜の肉巻きなど、おいしそうな料理が次々とできていきます。 「これで完成です。きょうは15品ですね」 稲田さんが行っているのは、利用客の家に行って作り置き料理を作る「料理代行」サービスです。 料理代行「ゆきどころ」 稲田幸恵さん 「10年間保育園の栄養士として働いてきた中で、働くお母さんを間近で見て『助けてほしい』っていう声を沢山聞いてきたんです。 掃除や洗濯って最悪1日2日しなくても命には関わらないけど、食べることは1日3回やってくる。もう1歩踏み込んで手を差し伸べたいけど、保育園でできる保護者支援には限度があると感じたのが、“料理代行”を始めるきっかけでした」 長年勤めていた保育園を退職した稲田さんは、今年4月から料理代行サービスをスタート。オーダーがあると利用客の家に出向き、その家にある食材・調理器具を使い、作り置き料理を作っています。 サービスを提供するなかで、稲田さんはある疑問を感じていました。 「料理代行を依頼してくるのは、100%『お母さん』。普段台所に立つのもほぼ100%『お母さん』というご家庭ばかりなんです」
■「私がやらなきゃ」 産後うつのような状態に…
稲田さんの料理代行サービスを利用する松江市の野津さんは、生後6か月の娘をはじめ3人の子を持つ母親。 夫は仕事が忙しく、家にいないことが多いため、野津さんは一人で赤ちゃんの世話をしながら、合間に自営業の仕事や家事を行っているといいます。そんな中で、一時は「産後うつ」のような状態になった時期もありました。 料理代行サービスを利用 野津さん 「料理にしても、家事も育児も全部やるのが私しかいない状態、私がやらなきゃって思っていました。 料理代行を頼むのは最初すごく後ろめたかったんです。『産後ずっと家にいるのに人に頼んでるの?』って思われるんじゃないかって…。でも、実際に頼んでみたら本当に心の余裕が前と全然違った。家庭がうまく回るなら、料理するのも母親じゃなくてもいいんじゃないかなと思うようになりました」