減りゆく街道沿いの深夜営業店

【マネー秘宝館】 用事があって夜中の1時出発でドライブしました。これほど遅い時間に運転するのは数年ぶりかもしれません。その「久しぶりの深夜ドライブ」でビックリしたんですよ、開いている店が少ないことに。 【表】「４人家族で１カ月に必要な金額」京都総評の試算と内訳 街道筋のロードサイド店でコーヒーでも飲もうと思ったのですが、いまや深夜に開いているのはガソリンスタンドと牛丼屋だけでした。あとは目立ったのがコインランドリー。 お目当てのファミレスなどのレストラン系はすでに店じまい。「深夜でも開いているお店」がこれほど減っているとは、かなりのカルチャーショックです。 いろんな理由があるとは思いますが、まずは少子高齢化でしょうね。早寝早起きの老人は夜中に出歩きません。夜中のドライブと言えば、若い衆でしたが、その若者たちの数が減っており、しかも最近の彼らは夜中に出歩きません。 私の世代が若かりしころ、夜な夜な出歩いていたのは「家にいるのが退屈だった」からです。だから友人と連れ添って外で飲んだり、麻雀していました。しかし、今や家にいながらスマホでみんなとつながれるし、おもしろいYouTubeをいくらでも見られる。こうなると出歩かないのも納得です。 郊外のロードサイドだけではありません。私の事務所のある東京・日本橋界隈の飲食店も軒並み閉店時間が早くなっています。コロナ禍を経て、やっとお客が店に戻って喜んだのもつかの間、みんな1次会のみ。切り上げるのがめっきり早くなっています。 私の記憶によれば、2011年の東日本大震災の後、東京の人々は夕食を切り上げる時間が早くなり、1次会で終了することが増えました。あの震災のときと、その直後に「帰宅困難者」が多数出たことで「早く家に帰らないと」と考える帰巣本能が刺激されたのだと思います。 そして今回のコロナ・ショック。やはり同様に、外で飲むけれども1次会のみで早め終了のケースが増えました。 東日本大震災からコロナ禍までの間に、会社の交際費が減らされたり、パワハラ回避で上司が部下を誘いにくくなった事情がこれに拍車を掛けたようです。 この先、間違いなく営業時間の早めシフトが始まるはずです。つまり、この国の人口ボリュームゾーンであり、かつ、お金持ちの多い「老人」の生活リズムに合わせて営業時間を設定すること。すでに「早朝から開店するパン屋さん」などがボチボチ登場しています。通勤ラッシュとぶつかる都内のお店は無理でしょうが、郊外の住宅地などでは「早めの時間に開店・暗くなったら閉店」というお店がどんどん増えてくるでしょう。