《秋は要注意》便秘、うつ、不眠も…放っておくと怖い“腸乾燥” 食生活でできる対策は?
幸せホルモンは大半が腸でつくられている
腸は“第2の脳”ともいわれ、腸内環境の悪化はメンタルにも大きな影響を与えるとされる。特に感情のコントロールなどに深くかかわり「幸せホルモン」とも呼ばれる「セロトニン」は、まだ研究が進められている部分も多いが、その95%が腸でつくられるといわれている。腸でつくられたセロトニンは直接脳には届かないものの、腸内でぜん動運動の促進などを行うほか、間接的に脳機能にかかわっているとも。 「腸内環境が悪くセロトニンが充分につくられないと、抑うつ的になりやすいほか、不眠や免疫力の低下などを招く可能性があります。 セロトニンは日光を浴びることで生成されやすくなるため、日照時間が短くなる秋はただでさえ分泌量が減りやすい点も、秋のメンタル不調に関係していると考えられます」(大久保さん・以下同)
放置すると冬に悪化
便秘や気分の落ち込みなど、腸が乾燥しはじめているサインをキャッチしても、それを放置して冬を迎えれば事態はさらに悪化し、深刻な病気につながるかもしれない。 「夏の疲れがとれないままに秋や冬を迎えるのは危険です。東洋医学では冬は老化を加速させる季節ともいわれており、年末年始の冷え込みや忙しさ、そして暴飲暴食は腸内環境の悪化に拍車をかけます。 東洋医学では、大腸は肺と表裏一体と考えられていて、大腸の不調は肺の不調も引き起こす。肺は呼吸器だけでなく、免疫や水分代謝、気力を養うなどの働きがあるとされ、腸の乾燥は全身のさまざまな不調やさらなる乾燥を招く悪循環に陥ります」 腸は有害物質が体内に侵入しないようブロックするバリア機能を担っているため、乾燥による腸内環境の悪化はバリア機能の低下を意味する。すると、体内に侵入した毒素の解毒を担う肝臓にかかる負担が大きくなる。そうして肝臓の働きが悪くなると、次は腎臓が解毒の役割を担うようになり、腎臓を酷使するという“ドミノ倒し”のような現象が起こるのだ。 「砂漠化して働きが停滞した腸は老廃物をため込みやすくなるので、結果として肌荒れも起こります。 老廃物によってたまったガスは胃を圧迫し、胃炎や逆流性食道炎を招くほか、大腸がんの発育の促進を加速化させる可能性もあると考えられています」(松生さん・以下同) 腸のカサつきは重篤な病のリスクとなるため、早めの対処が必要なのだ。