鹿児島県 天城町ベストツーリズムビレッジ インバウンド呼び込む契機に 森田町長らが塩田知事を表敬訪問
【鹿児島】天城町が国連世界観光機関(UNT)の実施するベストツーリズムビレッジ(BTV)に選ばれた。19日は同町の森田弘光町長、梅岡拓司・商工水産観光課長が県庁を訪れ、塩田康一知事を表敬訪問した。 BTVはUNTが2021年から実施しており、持続可能な開発目標に向けて、観光を通じて文化遺産の保全や持続可能な開発に取り組む地域を認定する。 今年11月14日にコロンビアで開催されたUNT総会でBTVが発表され、世界260以上の地域から応募があった中、55地域が認定された。日本からは天城町と西川町(山形県)の二つが認定された。九州でBTVに選出されたのは天城町が初めて。日本国内では現在までに8地域が認定されている。 天城町は海と山の豊かな世界自然遺産と地域の農作物を生かした産業、地域で連携した受け入れ態勢が強みであり、自然と共に暮らす集落文化や、闘牛など地域住民の日常生活を生かした観光振興を推進している点が評価されたという。 森田町長は岐阜県白川村であった国内のBTV地域の関係者が集まった会議にも出席。「インバウンドでやってくる外国人は東京、京都などの大都市を一度体験すると、よりディープな日本を求めるようになる」と先行地域がBTVを活用したインバウンド利用促進を進めていることなどを塩田知事に紹介。「施設では大都市に当然かなわないけれど、食事やおもてなしなどホスピタリティーの良さをアピールしたい」と話した。塩田知事は「トレイルコースの草刈りや空き缶拾いなどを外国人観光客に体験させるのもありなのではないか」と提案していた。 天城町では英語版のホームページの作成や、公共施設の洋式トイレ化などを進め、インバウンドを呼び込む受け入れ態勢を整備していき「特定の人たちだけでなく、町全体で豊かさを享受できるような仕組みを作っていきたい」と森田町長は話していた。