過激なデザインのレッドブルRB20。カウル下のレイアウトにも込められた”革新”のための努力
RB20のボディカウル下は激変
さて今年のRB20を見てみよう。PUの上に置かれたクーラー(白い矢印)のサイズは、RB19に対して縮小。サイドポンツーン内部に置かれたラジエーターとクーラーのレイアウトにも大きな変更がある。 RB20のレイアウトでは、チャージクーラー(赤い矢印)とラジエーター(青い矢印)が、V字型になって重なるように配置されている。これにより、サイドポンツーンの下に深いアンダーカット(抉れた部分)を生み出すのを可能としているわけだ。 ただラジエターとクーラーをV字型に配置する方法は、新しいことではない。最近ではハースの2017年型マシンVF-17でこれを採用。また2004年のザウバーC23でも、似たような手法が採られた。 さてRB20が特異な目で見られているのは、ヘイローの付け根部分にも開口部があるためだ。この開口部も気流を取り入れるための存在しているのは間違いなく、RB20の冷却には別の武器がある可能性がある。 このヘイロー付け根部分の開口部から取り入れた気流は、ダクトを通ってエンジンカウル側面のルーバー(緑の矢印)に接続されている。しかしそのダクトは、ハウジングのようなモノを経ており、そのハウジングの内部に小型のクーラーが存在する可能性もあるように思われる。 またリヤエンドに目を向けると、エンジンカウルの砲塔のような肩口の段差後端に開けられた開口部から、熱を排出している。しかし、排熱用の箇所はこれだけではない。 エンジンカウルの後方、リヤサスペンションの前に開けられている小さな開口部も、排熱に関して補助的な役割を担っている。また、ヘイロー付け根の外側には、交換可能なパネルがあるように見える。ここも、暑い時期などにはルーバースタイルのパネルに交換され、排熱用の開口部になるはずだ(テストでは閉じられていた)。 また、サイドポンツーン上面に存在する溝の中に、開口部を設けるオプションも存在している模様だ。
Matt Somerfield