<高畑充希>ファーストサマーウイカの“推し活”に「すごく救われた」 「光る君へ」定子を生き切って
「自分自身、何かに憧れたり、“推す”まではいかなくても、何かに対してエネルギーを持つ方の役が圧倒的に多くて。持たれる側の役はほとんど初めての経験だったんです。そういった“推される”役への不安があって、定子を憧れの目で見てもらえる人物像にしなければならない、『いやいやこんな人間だったら推せないだろう』とならないようにと思って、プレッシャーを感じていたので。その点では、ウイカちゃんが、撮影の中でも外でも私をアゲてくれるというか、憧れの存在として扱ってくれたのが、すごく私を楽にしてくれたというか。ウイカちゃんと一緒に“ソウルメイト”のような間柄の役を演じることができて楽しかったですし、よかったなって思っています」
◇「枕草子」誕生シーン“秘話” 実は私がクランクアップしたあと…
定子とききょうの関係を語る上で欠かせない「枕草子」の誕生は、第21回「旅立ち」(5月26日放送)で描かれた。
家族が一人、また一人とそばから離れ、一条天皇の寵愛も失いかけた定子は、髪をおろしただけでなく、一度は死ぬことを心に決める。しかし、ききょうは「おなかの子のため、お生きにならねばなりませぬ」と説得を試み、その後、まひろの勧めもあって筆をとると、季節ごとの随筆を書き始める。それは「春はあけぼの」と始まっていて……。
桜の花びらに、舞う蛍の光、散り落ちる葉、優雅な弦の響きに乗せシーンは進むと、ついには随筆を読み上げる定子と、それを目撃するききょうの姿が映し出され、ナレーションで「たった一人の哀(かな)しき中宮のために、『枕草子』は書き始められた」と紹介された。
高畑さんも「台本を読んでいちばん好きなシーンだったんですね」とほほ笑む。
「せりふがなく、『枕草子』誕生という大きな出来事を、情景だけで描く。加えて、実際の季節の移り変わりではなく、映像(演出)で四季を感じさせてくれる。台本読んだ時点で『大石(静)さん、すてき!』って思ったことをすごく覚えていて。定子の気持ち、少納言の気持ちは、もちろんそこにあるのですが、情景になじめるようにってことをいちばんに考えて、私はできるだけ感情的にならないように、ただいるだけを心掛けました」