菊正宗、鉄塔看板撤去へ 設置から70年超、酒どころ「灘五郷」彩るシンボル的存在 神戸
大手酒造会社の菊正宗酒造(東灘区)は、生産工場内に立つ鉄塔看板を20日ごろまでに撤去することを明らかにした。1953年から70年以上にわたり、国内随一の酒どころ「灘五郷」の一角を彩るシンボル的存在だったが、安全性などを考慮して撤去を決めたという。 【写真】菊正宗が女子高生とコラボ 「日本酒の化粧水」発売 同社によると、鉄塔看板は53年12月に完成。高さは土台部分も合わせて約50メートルで、三角柱の各面に赤文字の「菊正宗」を掲げている。法令に基づき設置し、95年1月17日の阪神・淡路大震災でも大きな被害はなかったという。 かつては字体部分に赤いネオンサインが点灯していたが、2011年にネオン灯は撤去した。 工場近くの住吉川沿いの高架を走る六甲ライナーの車中などからも見え、長年、地域の住民や酒蔵巡りをする観光客らに親しまれてきた。しかし近年、気候変動の影響で荒天が頻発している状況を考慮し、撤去することにしたという。 同社は「広告塔としての一定の役割を果たしてくれた。寂しさもあるが、より一層酒造りにまい進し、今以上に親しまれるよう努力していきたい」とコメントしている。(大盛周平)