AV新法で「女優の契約事情」が激変。元セクシー女優が「単体女優が増えたワケ」を暴露
AV新法以外の影響も
昔は「企画は企画、単体は単体!」のように線がハッキリと引かれていた。企画女優から単体女優への転向はまずあり得ないもので、①単体・②キカタン(企画単体)・③企画と、ヒエラルキーが明確だったように思う。 平成後期付近から人気企画女優がメーカー専属に変わるパターンも見られたが、本当に一部だけ。現在のように、企画→単体のお知らせが出るのは珍しかったため、完全に時代の変化と言えようか。 AV新法の影響は確かに大きいけれど、それ以前にビデオの売り上げ自体が下がっているのも企画女優に頼らざるを得ない原因である。どこの会社からも制限なく作品がリリースできて、各方面でファンを獲得する彼女たちは貴重な存在。だからこそ、専属契約を打診するメーカーは、今ある高い人気を一か所で独占したいのだ。 ちょっと前までは単体女優が一番偉いといった風潮だったけど、今は数字を持つ企画女優が大事にされる時代。下剋上と言わんばかりの専属契約は注目度も高く、ドのつく新人よりも契約本数や売り出され方に大きな違いが出たりもする。
企画女優減少の危機に
企画女優と大手メーカーの契約はたいへん興味深いものの、このままでは企画女優の数が大きく減ってしまう。「そのぶん供給できればいいじゃないか」なんて声もあるけど、仕事が安定する前に引退を決める人の数が多いことも災いして、次世代のエースが現れにくい状況が出来上がっているのも事実だ。 メーカーが次から次へと企画女優を囲うと、専属ばかりが増えてしまうのも悩ましい問題。ユーザの中には「単体を好まない、企画オンリーのファン」も多く、そこのニーズを満たせないと売り上げが下がる一方だろう。 さまざまな事情により、企画を続けられる女の子も今は数少ない存在になった。AV新法が業界に与えた影響は相変わらず尾を引いているため、もう一度内容の見直しが必要だと私は思っている。
製作陣は人気女優に頼りきり?
また、制作側も人気女優に頼りきりになっている部分が否めない。セクシー業界は単体がいて、企画もいて成り立つ世界のため、事務所やメーカー陣は新人を育てる方向にもっと注力すべきではないだろうか? とも思う。 ただ、女優目線で考えると、企画女優から単体女優へとレベルアップができるのは非常に夢があって良いことだ。企画女優からするとメーカー専属は誰もが憧れる立ち位置で、今まで頑張ってきた成果が「単体契約」として形に現れるのだから、業界で輝きたい女の子からすると嬉しいご褒美であることに間違いはない。 これからも企画女優から単体女優になる例は増え続けるはずなので、引き続き業界の動きには注目をしたいところ。もしかすると数年後は「え、この人が!?」という驚きの人物が、どこかの専属女優になっているかもしれない。 文/たかなし亜妖 ―[元セクシー女優のよもやま話]― 【たかなし亜妖】 元セクシー女優のフリーライター。2016年に女優デビュー後、2018年半ばに引退。ソーシャルゲームのシナリオライターを経て、フリーランスへと独立。WEBコラムから作品レビュー、同人作品やセクシービデオの脚本などあらゆる方面で活躍中。
日刊SPA!