心の専門家がサポート 不登校専門の訪問看護、和歌山県内初
不登校の子どもが増え続ける中、不登校専門の訪問看護ステーション「Hull(はる)」(事務所・和歌山県印南町)の取り組みが、注目されている。心の専門家が定期的に訪問し、体調管理やメンタルケアをし、関係機関と共有することで、ひきこもりの長期化予防を図っている。県内初の試み。 【不登校 6年連続最多 和歌山県内の小中学校で2272人の記事はこちら】 「はる」は、生きづらさを抱えた若者を支援する一般社団法人「Gifted Creative(ギフテッド クリエーティブ)」(峯上良平代表理事)=田辺市上芳養=が5月に開設した。 「ギフテッド」は20、30代のひきこもりや精神・発達障害などの生きづらさを抱えた若者を6年間で120人支援してきた。10代から社会になじめず、家族の理解を得られないまま長期間引きこもるケースが全体の6割近くを占めており、早めの対策や予防の必要性を痛感したという。 2023年度の県内公立小学校で病気などを除き、年間30日以上欠席した不登校者数は917人(千人当たり22・0人)、中学校は1355人(66・6人)。いずれも6年連続で最多を更新している。 「はる」では、峯上代表理事の妻で管理者の晴菜さんら心理教育や就労支援の知識がある看護師らが最大週3回、家庭訪問し、当事者と保護者を支援する。遊びの中で人との関わり方を訓練したり、家庭教師と連携で勉強に取り組む気持ちを取り戻したりしている。 対象は不登校、発達障害、精神障害、学習障害などの小学生~高校生。利用時間は月~木曜午前8時半~正午、午後1時~5時半の間で1時間程度。週1~3回、体調に合わせる。子ども医療費助成制度などを利用することで、多くの場合、自己負担がゼロになる。 峯上代表理事は「医師や心理カウンセラーなど複数の伴走者を付けることで、社会復帰までの階段をスモールステップで無理なく上ることができる。早期に相談してほしい」と呼びかけている。オンラインの相談会を毎月第1水曜午後8時~9時に開催している。 不登校支援に関心のある看護師を対象にした説明会や面談も予定している。 申し込み、問い合わせは「はる」のホームページへ。
紀伊民報