『ワイルド・スピード』でスポコン人気が沸騰! 日本車にVWやピックアップなど多彩なマシンが魅せる『第31回ヨコハマホットロッドカスタムショー2023』
映画『ワイルド・スピード』の影響で日米で人気になった"スポコン"
2001年に映画『ワイルド・スピード』(原題:The Fast & Furious)の公開とともに日本でも一大ブームを起こしたのが“スポコン”ことSport compactだ。 前述した通り、アメリカのモーターカルチャーは人種や出自との結び付きが強く、例外はあるものの、白人のHOTROD、チカーノとアフリカン・アメリカン(黒人)のLOWRIDERとの色彩が濃い中で、日系や中国系、韓国系などのアジアン・アメリカンの中から1980年代後半に発生したのがスポコンであった。 スポコンのベース車は若者でも購入しやすい比較的安価な日本車や欧州車、アメリカ車の排気量1.6~ 2.0L前後のFWD車の人気がもっとも高く、ボディ形状はクーペあり、ハッチバックあり、セダンありとさまざまだ。金銭的にゆとりのあるファンは、トヨタ・スープラや日本から並行輸入したスカイラインGT-R、ロータリーエンジン搭載車のRX-7などの高性能なスポーツカーも支持を得ている。 カスタムスタイルはほぼ日本のチューニングカーに準じているが、より“魅せる”要素を重視してオレンジやパープル、ライムグリーンなどの人目を引く派手な色にオールペイントされ、カウルフードやボディサイドにフレイムスやトライバルパターン、キャラクターなどのバイナルグラフィックを施し、エアロパーツで完全武装するのが定番のスタイルとなっている。
オイルショック以後に台頭した日本製FWDコンパクトカーをアジア系の若者がカスタムしたことで人気に火がつく
もともとアメリカでは大排気量のマッスルカーの人気が高く、FWDコンパクトカーは日本の軽自動車のような「通勤や通学に使う安価なアシ」程度にしか思われておらず、カスタムのベース車に選ばれるようなものではなかった。 ところが、オイルショックと排気ガス規制の影響で巨大なV8エンジンを搭載したFR車の人気が低迷すると、日本製の小型車の支持が急速に高まり、アメリカの自動車メーカーもこれに追随してFWDコンパクトカーを相次いで登場させたことから、大型のFR車に偏っていた北米市場における乗用車の勢力図は大きく変化することになる。 そんな中、ホンダ・シビックやCR-Xのように実用車でありながらスポーツカーにも匹敵する高性能なコンパクトカーが登場すると若者たちの心をたちまち掴んだ。とくにHOTRODやLOWRIDERに馴染みが薄かったアジア系の若者たちがこれに飛びつき、改造を施すことで深夜のイリーガルなストリートレースや、週末のドラッグレースやジムカーナを楽しむようになった。これがスポコンの期限とされている。 日本では前述した映画の影響もあって2000年代に人気を博し、スポコンを対象にしたカーイベントや専門誌なども発行されたが、現在ではブームは収束し、チューニングカーのカテゴリーにほぼ取り込まれてしまった。 MOONEYES主催のイベントでは SCNでその姿を見かけることが多いものの、HCSではもともと参加台数は少なく、今回はインテグラが2台エントリーするにとどまった。
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