『ワイルド・スピード』でスポコン人気が沸騰! 日本車にVWやピックアップなど多彩なマシンが魅せる『第31回ヨコハマホットロッドカスタムショー2023』
LOWRIDERから派生し独自の進化を遂げたVWベースのCallook
HOTRODやLOWRIDERとともにアメリカ西海岸から発祥した伝統的なモーターカルチャーがCallook(キャル・ルック)だ。 CallookとはCalifornia lookerの略であり、もともとはVWタイプI(ビートル)やタイプII、タイプIII,カルマンギアなどの空冷VWがベース車に選ばれていたが、ポルシェ356や初期の911、最近ではフィアット500やBMWミニ、日本国内では軽自動車などをベースにカスタマイズされることもある。 【画像】『第31回ヨコハマホットロッドカスタムショー』には日本車のカスタアムカーも多数エントリー。 Callookが誕生したのは1970年代後半のことで、ギャングや犯罪のイメージと結びつけて語られがちだったLOWRIDERから離れたヒスパニック系の若者が、同様のカスタム技法を用いて空冷VW車をカスタムしたのが始まりとされる。そのため登場当初は「Chicano Style(チカーノスタイル)」と呼ばれていたのだが、中古車が豊富な上に安価で、構造が単純なことから素人でもチューンやカスタムが容易で、おまけにカスタムを施した車両はCOOLでFUNKYなスタイルに仕上がることから、流行に敏感な白人の若者たちにも受け入れられ、人種の垣根を超えて一大ブームを巻き起こした。 もっともポピュラーなCallookは、ローダウンした車両に5本スポークのEMPIやBRM、ポルシェ用のフックスアロイのホイールにワイドラジアルタイヤを組み合わせ、エクステリアはクロームトリムやバンパーなどを取り外して外観をスッキリさせ、インテリアは小径のステアリングホイールに付け替えた上で、レース用メーターパネルへの交換もしくはタコメーターを追加。心臓部は排気量をスープアップし、大径キャブレターやクロスミッション、レース用のエグゾーストに交換するというもの。また、ルーフをチョップし、低く精悍なルックスにした改造もしばしば行われた。
日本でも1980年代にCallookブームが到来するが、ベース車の価格高騰とファンの先鋭化により新規ファンの獲得に失敗
西海岸から日本にCallookが伝わったのは1980年代中頃のことで、当時の人気は凄まじく、創生期の『Street Car Nationals』(以下、SCN)の会場はCallookの空冷VW車で埋め尽くされた。 しかし、近年ではベース車両の中古車相場高騰とカスタムスタイルの定番化、さらには先鋭化した一部マニアによるメキシコ製ビートル(通称:メキビー)やタイプIIマスクにスワップした軽バンをCallookとして認めるか・認めないかの論争などにより、空冷VW車ベースのCallookは結果的に新規のファンを遠ざけてしまったようで(専門ショップの中には軽バンべースのCallookから空冷VW車への乗り換えを検討している客に「お前には売るクルマはない」と言い放って追い返すケースもあったと聞く)、往時ほどの盛り上がりは見せていない。 『ヨコハマホットロッドカスタムショー2023』(以下、HCS)にエントリーした車両はレベルは総じて高かったが、エントリー自体は少なかった。
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