凱旋門賞で初の日本V馬誕生の可能性
凱旋門賞は日本馬にとって「勝たなくてはいけない」レース
先日、今年の凱旋門賞に出走する関係者と、渡航前に話をする機会があった。その関係者は今年は充分に勝つチャンスがあるとの見解を示した後で、 「いつまでも凱旋門賞に捕らわれているのではなく、むしろ凱旋門賞を勝った後はこれまで以上に日本馬の優秀さを示すべく、ヨーロッパ、アメリカと様々なGレースに挑戦していくべきだと思う」 と話していた。スピードシンボリ以来、幾多の敗戦を繰り返していく中で、凱旋門賞制覇が世界制覇の目標となり、それが日本競馬のレベルアップへと繋がっていったという功績は認めざるを得ない。だが、その一方で日本調教馬はジャスタウェイのように、世界各国でGレースを勝利しており、今では優秀な日本産馬を求めるべく、日本の競走馬市場へ海外からバイヤーが足を運ぶようにもなっている。 凱旋門賞の勝利は、日本産馬の優秀さを示すにまたとない機会でもある。ただ、その一方で凱旋門賞以外にも、日本産馬が優れたパフォーマンスを残せるレースは、まだ世界にはあるはず。我々の目の前を駆け抜けていった馬が、世界の誰もが認めるスターホースへとなっていく。世界各国で開催されている競馬にはそうした魅力もある。 今年は日本競馬に課せられている、凱旋門賞という「呪縛」から解き放たれるまたとない機会でもある。言わばゴールドシップ、ジャスタウェイ、ハープスターの3頭は、我々に輝かしい未来を見せてくれる「勇者」なのかもしれない。 凱旋門賞の発走時間は日本時間5日の午後11時30分。日本のサラブレッドやホースマンが世界を制する瞬間を、その目で確めて欲しい。