米大統領選テレビ討論会 81歳vs78歳 史上最高齢対決の勝者は?【Bizスクエア】
■81歳vs78歳 高齢者対決決の勝者は!? 物価高・戦争・移民…非難応酬 ――今回の討論会。衝撃はどのぐらいか? 共同通信 客員論説委員 杉田弘毅氏: 大統領選の討論会は何十回も見てきたが、最も衝撃が大きい。聴衆の前で政策について発言することに慣れているはずの現職大統領がこれだけいろいろな重要な政策についてきちんとわかりやすい表現で説明できないどころか、聞いてる方は何を言っているのかよくわからないという結末になったことを見たことがない。 ――討論会の前、相当特訓したそうだが、結果いろんなキーワードを頭に詰め込んで言わなければと思って混乱しているように見えた。 共同通信 客員論説委員 杉田弘毅氏: それは一つあると思う。同時にバイデン氏は記憶力の問題が指摘されていたが、やはり彼の弁論を見ると、言いたいことが3つある。ナンバー1はこれだと。その後の2番、3番が出てこない。おそらくそのナンバー1を言うので精一杯で、2番、3番についてはもう頭の中が真っ白になってしまい、彼の能力的な限界をまざまざと見せてしまった感じだ。バイデン氏の敗因は高齢問題だが、トランプ氏の勝因は、いかなる政策の問題も、移民の問題に結びつけている。移民がいるからこれだけアメリカの治安・経済は悪くなっていると議論をすり替えている。 共同通信 客員論説委員 杉田弘毅氏: アメリカ世論の大勢はトランプ氏がいうように、壁を作って移民の流入を制限するということなので、乱暴な議論ではあるがそこに執着して発言したところが大きなポイントだ。 ――黒人の失業率が高いという話も移民のせい。自分の土俵に引きずり込むような展開だった。 共同通信 客員論説委員 杉田弘毅氏: トランプ氏のもう一つの弱みは「犯罪者」ではないかということ。バイデン氏も指摘したが、彼は実際に有罪の評決を受けたのでそこは否定しない。ただし彼は「であるならば、なぜ私はここに立てているのか」という論法だ。そこで「アメリカ人の中の共和党の支持者の大半、それから支持率を見るとかなりのアメリカ国民は私にもう1回大統領をやってほしいと言っている」と。トランプ氏から言わせれば「アメリカ人は大した犯罪でない部分にいろいろ注目するよりも、これまで行ってきた政策を期待している」という議論の切り返しをしていて、ここもトランプ氏がポイントを上げた点だと思う。