米大統領選テレビ討論会 81歳vs78歳 史上最高齢対決の勝者は?【Bizスクエア】
TBS ワシントン支局 涌井文晶記者: バイデン氏が討論会で弱々しい姿を示したことで、候補者としての適性に一挙に不安が広がり、民主党内はパニック状態になっていると各種メディアで伝えられている。CNNが放送直後に行った世論調査では、トランプ氏が勝利したと答えた人が67%、バイデン氏は33%だった。バイデン氏惨敗というこの結果を受けて、テレビのニュースでは一日中民主党内でバイデン氏の交代論が浮上していると取り上げられた。また、夕方になると有力紙のニューヨーク・タイムズが社説を発表し、バイデン氏に撤退するように促した。リベラルな社論で知られるニューヨーク・タイムズは2020年にはバイデン氏を支持したが、27日の討論会を受けてこのままバイデン氏が選挙戦にとどまれば、トランプ氏が勝利する可能性が高まると指摘して、民主党は別の候補者を指名するべきだという。 ――バイデン氏はこうした声に対して、どんな反応を示しているのか。 TBS ワシントン支局 涌井文晶記者: 激戦州のノースカロライナ州の選挙集会で演説して「11月の選挙で勝利する」と述べて撤退論の打ち消しを図った。演説の中では「私は若くない、討論も以前のようにうまくはできない」と認める一方で、「私は真実を伝える方法を知っているし、善悪の区別がつく」とトランプ氏との違いを強調した。また、前日の討論会に比べると、声にも張りがあり、せき込んだり、声がかすれたりするという場面も限られていた。ただ一度の選挙集会が力強くあったというだけでは多くの視聴者が見たテレビ討論会でのマイナスの印象を払拭するには不十分だろうとも思われる。 ――にわかに浮上してきた候補者の差し替え論。現実的には進む可能性はあるか。 TBS ワシントン支局 涌井文晶記者: 民主党の候補を選ぶ予備選は既に終了しており、バイデン氏が自ら撤退を決断しない限り候補者の差し替えは難しいと見られる。そのため民主党内でバイデン氏で大丈夫かという声は水面下で広がっているようだが、表立ってバイデンおろしを訴える声が大きくなっているという状況ではない。大統領選の有力候補者としてかつて名前が挙がったカリフォルニア州のニューサム知事らも現時点ではバイデン氏を支持し続けるとしている。ただ今後討論会を受けた世論調査の結果などによってはさらに民主党内でバイデン氏の交代論が高まることもあり得る。