増田陸、40歳の宇津見義広に7回TKO圧勝も内容には不満「20点ですね」
プロボクシングの日本バンタム級タイトルマッチが2日、東京・後楽園ホールで行われた。王者の増田陸(27)=帝拳=が、同級8位の宇津見義広(40)=ワタナベ=に7回26秒TKO勝ち。初防衛に成功した。 1回から左ストレートをヒットし、2回に宇津見の右目上、3回には左目上をパンチで切り裂いた。4回には左ストレートを当ててからポジションを変えて左フックをヒット。5回終了後の公開採点ではジャッジ3人全員がフルマークで増田を支持した。7回に左右のボディー攻撃からの左アッパーでダウンを奪い、レフェリーはダメージを考慮して試合を止めた。 強打のサウスポーの増田は「結果として防衛できたことはすごくうれしいんですけど、内容は全然自分の中で満足できていないところがあった。もっともっと自分の課題と向き合って、強くなって帰ってきます」と圧勝にも不満顔だった。 7月に後楽園ホールで、初防衛を目指していた富施郁哉(26)=ワタナベ=に挑戦し、4回KO勝ち。2度目の日本王座挑戦で新王者となった。昨年8月に初めて日本王座に挑戦した試合で惜敗した、当時日本王者だった堤聖也(28)=角海老宝石=が、10月13日に東京・有明アリーナで、3度目の防衛を目指していたWBA世界バンタム級王者の井上拓真(28)=大橋=相手に世界初挑戦し、3-0の12回判定勝ち。新王者となった。増田はその試合を会場で観戦し、さらにモチベーションを高めてリングに上がっていたが、「全体的にバランスが悪い。強引にもっと形にこだわらずにいってもよかったかな。(100点満点中)20点ですね」と自分に厳しかった。 来春の日本王者が指名試合を闘うチャンピオンカーニバルで、同級1位の松本海聖(23)=VADY=(12月8日に予定されている次戦で負ければ挑戦権を失う)の挑戦を受けるかどうかには「次についてはあまり考えずに今回挑んでたんで、次がカーニバルの挑戦者とやるのか、また別の道があるのかまだ分からないんですけど、次に向けてまた誰が相手でも勝てるように練習に早く復帰します」と語った。 日本王座初挑戦だった大ベテラン、宇津見は変則的なボクシングで挑んだが、実力差は大きく、フィジカル差で何度もキャンバスに潰された。完敗に「何もできなかったです」と肩を落とした。
興行は動画配信サービスのU-NEXTで午後5時30分から独占生配信された。プロ戦績は増田が7戦6勝(6KO)1敗、宇津見が35戦17勝(10KO)12敗6分け、松本が8戦8勝(5KO)。(尾﨑陽介)