【解説】長期政権狙う野心とは… プーチン氏圧勝でロシアの軍事行動はどうなる?
■ロシアの軍事作戦はどうなる? 代わりの指導者が出てくる可能性は?
藤井キャスター 「いま『攻撃を進めていくもの』とおっしゃいましたが、ウクライナ侵攻で2年が過ぎている現状で、今後ロシアの軍事作戦はどうなっていくとお考えでしょうか」 東野教授 「この大統領選挙で、おそらく『ロシア国民からのお墨付きが得られた。こんなにたいへんな状況であっても国民は圧倒的にプーチンを支持している』といった理解が推進されたと思います」 「従って、たとえばことしの初夏以降にロシア側からの猛攻撃が予定されているということが指摘されています。この猛攻撃が、あまり世論を気にせず、一層容赦ないものになると想像できると思います」 「また、動員や戦時経済体制への徹底的な移行も、選挙前は難しかったかもしれませんが、選挙後であれば国民の反発をあまり気にしないでできると思います。軍事的には東部南部4州を完全に制圧すること、できればオデーサくらいまで支配地域を広げること、また戦争目的が変わったわけではないので、キーウの制圧やゼレンスキー政権の排除も、この6年間ないし12年間に引き続き狙っていくと思います」 「おそらく歯止めがかからない状況だと思います」 藤井キャスター 「今後、代わりとなるロシアの指導者が出てくる可能性は、どれぐらいの確率なんでしょうか」 東野教授 「私も、さまざまなヨーロッパやアメリカの専門家と議論を重ねてきましたが、やはりプーチン大統領にとって代わる指導者が出てくることを期待するのは、非常に難しいと思います」 「では、この状況をどうやって変えられるのか。これはもう、突発事項に頼るしかないというのが、みなさんの大方の見方です。たとえば、ロシアかウクライナで大きな軍事的な突破口が生じる、あるいはロシアで反戦運動が高まる可能性はなくはないですが、どれも短中期的に『必ず起きる』と言えるようなものではありません。当面はやはり、この状況が続いていくものと、みなさんはみていると思います」