ブラザー工、ロランDG株のTOB価格引き上げず、買収を断念
(ブルームバーグ): ブラザー工業は9日、ローランドDGに対して実施すると公表していた株式公開買付(TOB)について、1株5200円としていた買付価格を引き上げないと発表した。ロランDGの買収を事実上断念する。これにより、現在進められているMBO(経営陣が参加する買収)によるTOB成立の公算が高まる。
ブラザー工は発表資料で、ロランDGの取締役会や特別委員会との協議した結果、同社の企業価値向上のために必要不可欠な信頼関係を構築することは今後見込めないと判断したとしている。ロランDGは、ブラザー工の傘下入りした場合、ディスシナジー(負の相乗効果)の懸念が拭えないなど主張してきた。
ロランDGを巡っては、米投資ファンド、タイヨウ・パシフィック・パートナーズがMBOのかたちでTOBを進めていた3月、ブラザー工が対抗TOBを5月中旬をめどに実施すると公表していた。タイヨウは当初1株5035円としていたTOB価格を4月に5370円に引き上げ、ブラザー工の提案価格を上回っていた。
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