伊藤園「お~いお茶」1億ケース射程圏内 大谷翔平選手の“援護射撃”で国内外の需要を開拓
伊藤園は無糖緑茶飲料ブランド「お~いお茶」で販売数量1億ケースを射程圏内に捉えている。グローバル契約を交わしたロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平選手の“援護射撃”のもと国内外の需要を開拓していく。 6月4日、決算説明会に臨んだ本庄大介社長は、とりわけレギュラーと呼ばれる旗艦商品「お~いお茶 緑茶」に注力していく考えを明らかにする。 「『お~いお茶』はずっとこのところ『濃い茶』が伸長しているが、やはりレギュラーを伸長させていきたい。世界中でレギュラーの緑のカラーを見られるようにやっていきたい」と意欲をのぞかせる。 国内では、夏場に向け商品まわりで大規模施策を予定。次世代ユーザーの獲得に向けては、健康に気遣う大谷選手のお眼鏡にかなった飲料として、全国の少年野球チームへの「お~いお茶」の協賛を計画する。
海外では、飲料製品(ドリンク)の海外現地生産体制を確立して新たにヨーロッパに本格進出するなど長期ビジョン「世界のティーカンパニー」の実現に向けグローバル化を一気に推し進める。 現在、北米と中国を中心に世界40カ国でドリンクとリーフを販売。世界的な健康志向の高まりを追い風に販売量は拡大の一途を辿る一方、ドリンクの輸送コストのリスクが足枷になっていた。 今回確立された新体制は、この輸送コストのリスクを大幅に低減するもので、グローバル化推進への大きな布石と位置付ける。 「これからは海外に向けてスピード感を上げてやっていく。生産拠点をそれぞれの国に構えるということは考えておらず、現地の協力工場を開拓して取り組んでいく」と語る。 この考えのもと、新市場開拓の拠点として、4月1日、ドイツ・デュッセルドルフ市に子会社(ITO EN Europe GmbH)を設立。時を同じくして、ベトナム・ホーチミン市にも子会社(ITO EN VIETNAM CO.,LTD)を設立した。 ヨーロッパには満を持しての本格進出となる。 かねてから、人口や経済規模などの観点からヨーロッパ市場に着目していたものの、北米事業やアジアの基盤づくりと黒字化を最優先としていた。ヨーロッパ進出にあたっては厳しい法規制もクリアした。