茹だる猛暑はビールのお供に枝豆! グローバル化とブランド化が進行中
茹だるような夏にはキンキンに冷えた生ビールと茹でたての枝豆が黄金のカップリング。鮮やかな緑色にしばし暑さを忘れる。 枝豆は熟し切っていない青い果実ならぬ、青い大豆。大豆がいつごろから「枝豆」として食されるようになったかは明らかでない(*)が、平安中期に編まれた『延喜式』には枝豆と思しき「生大豆」の記述がある。時は下って江戸期には、枝ごと茹でた豆を売り歩く「枝豆売り」がいたそうだ。 ちなみに、農林水産省の分類では、枝豆は豆でなく「野菜」に含まれる。カロリーは大豆よりも低く、ビタミンAやCが豊富。さらにアルコールを分解して肝臓を守るという必須アミノ酸のメチオニンも。そんな理想の酒の友も、「グローバル化」と「ブランド化」が昨今のキーワードだったりする。
「edamame」は「ramen」「tempura」より検索されている
昨年12月、グーグルが発表した「2013年1月~11月に海外のネットユーザーが検索したキーワードランキング和食部門」で、edamameはsashimi(4位)やtempura(5位)を抑えsushiに次ぐ第2位にランクインした。第3位はramen。 意外(?)な枝豆人気は、外国人旅行者が居酒屋でつまんだり自国の和食レストランで食べたりするうちにクチコミなどで広まったと見られるが、caloriesやnutritionとともに検索された例も多いことから、健康志向の高まりも背景にありそうだ。米国内には日本人が提唱したマクロビオティックを実践している人が300万人以上いるといわれるが、その浸透とともに日本の伝統食=健康食のイメージは定着した。 世界最大の大豆生産国に暮らし、豆食の伝統もありながらほとんど大豆を食べてこなかったアメリカ人。しかし、1999年に食品医薬品局(FDA)が心臓病や脳卒中の予防に大豆が有効であるとの大規模なキャンペーンを行って以来、大豆ベースの機能性食品が市場に溢れた。それらに比べると枝豆は超シンプル。低脂肪で高タンパク、しかも塩茹でするだけで食べられるのだから、日本食のエントリーモデルにうってつけなのだ。 ためしにedamameで検索してみると「What is edamame? And how do I eat it?」と題したベジタリアン向けのサイトや「Edamame “better than chips”」「 How to make edamame」など調理法を指南する動画もいろいろ。国境や民族を超えてedamameが愛されるさまを見ると、うれしくなる。いまアメリカの枝豆消費量は、毎年3万トンペースで増え続けているという。ただし市場に出回る冷凍枝豆の9割は中国産。ちょっと悔しい。