〝抹茶〟季節イベントの新定番に ハロウィーン、Xマスに大活躍
欧米のイベント〝和〟で彩り
ハロウィーンやクリスマスといった欧米由来の季節イベント向けのスイーツでも、和素材の抹茶が大活躍だ。ハロウィーンでは、モンスターやお化けの肌の色を抹茶で表現したスイーツが人気を集める。大手コンビニ3社は抹茶を使ったクリスマスケーキを販売。ショートケーキなどに次いで新定番となりつつある。 【画像】セブン-イレブンが販売する抹茶を使ったクリスマスケーキ 茶全体の生産量は減少が続く一方、抹茶の原料となる碾茶(てんちゃ)の生産量は増加傾向だ。農水省によると、2023年の碾茶の生産量は4176トンで「少なくともデータのある1975年以降最高」という。10年前の2013年比では、9割増えた。同省は「スイーツなどのフレーバーとして抹茶を使う需要が国内外で増えている」とみる。 定番のフレーバーとして人気が定着した抹茶は、和素材であるにもかかわらず、近年は欧米由来のイベントスイーツにも活用されている。 レシピ検索サイト・クックパッドでは、24年10月現在、「ハロウィーン 抹茶」と検索すると、100件近くのレシピが表示される。フランケンシュタインなどのモンスターやお化け、カボチャをモチーフにしたクッキーのレシピが多く、抹茶は、モンスターの肌やカボチャのへたの色を表現するのに使われている。「天然素材で着色でき、味も楽しめる点が重宝されているのではないか」(クックパッド)と分析する。 グリップセカンド(東京都豊島区)は、抹茶を使ったドーナツ「抹茶モンスター」(330円)を同社が運営するベーカリーとドーナツ店、計5店舗で販売。ドーナツに抹茶を混ぜ込んだホワイトチョコレートを合わせ、チョコレートの目をトッピングし、モンスターを表現した。目の数が一つから三つまで異なるものをランダムに販売し、選ぶ楽しさも提案。ハロウィーン限定商品として31日まで販売する。
コンビニの新機軸に
大手コンビニ3社は近年、抹茶スイーツの根強い人気を受け、クリスマスケーキとして茶問屋ブランドの抹茶を使ったケーキを提案する。生クリームとチョコレート味の2大勢力の中で新機軸を打ち出す。 ファミリーマートは、宇治抹茶の老舗問屋・上林春松本店監修のケーキを販売。追いがけ用の抹茶粉付きで「抹茶の濃厚さをもっと味わいたいという声を受け、前年から付けている」(同社)という。セブン―イレブンは、老舗茶屋の伊藤久右衛門の宇治抹茶を使ったチーズケーキを提案。ローソンは、京都の老舗お茶ブランド・森半監修のケーキを販売する。ケーキの中に入った抹茶クランチのザクザクとした食感が楽しめるのが特長だ。 (永井陵)