『降り積もれ孤独な死よ』血の呪い越えた成田凌と萩原利久の兄弟愛 吉川愛が握る秘密とは
『降り積もれ孤独な死よ』(読売テレビ・日本テレビ系)第7話は、ドラマ終盤に向けて数々の重要な示唆がちりばめられた。 【写真】撃たれた弟の蒼佑(萩原利久)を助けようとする冴木(成田凌) 灰川十三(小日向文世)の息子である鈴木(佐藤大樹)は秘密を抱えたまま自死した。冴木(成田凌)をかばって、弟の蒼佑(萩原利久)は撃たれて亡くなった。鈴木が死を選んだのは、灰川が鈴木を守るために血縁を否定したという花音(吉川愛)の言葉を聞いて、自身の中の何かが壊れたためと考えられる。あるいは、当初の犯行計画に織り込み済みだった可能性もある。 いずれにしても、13人の子どもたちが地下室で餓死した灰川邸事件の主犯で灰川殺害の容疑者である鈴木は逝き、真実を知るものはいなくなった。第7話はドラマ全体の転換点だった。物語を貫く父と息子の絆は、別の言葉で血のつながりあるいは呪いと言い換えられる。その主題を背負った鈴木と主人公側の蒼佑の死は、第一部の完結を画するものといえるだろう。そのことは、後日談といえる冴木の、子どもを虐待する親への制裁を思いとどまるエピソードが示すとおりだ。なお、虐待家庭に育ち、自身も葛藤を抱えながら事件の重要参考人として主人公の冴木と対峙した蒼佑を演じた萩原利久は、ドラマ前半の盛り上がりに貢献した筆頭に挙げられる。 事件はこれで解決なのか。背後にもっと大きな闇があるのではないか。第7話後半で物語は新たな段階へ進む。傷害事件を自首した冴木は、警察を辞めて警備の仕事に就いていた。時は流れて2024年。週刊誌記者の森(山下美月)が失踪した少女の行方を追って冴木と接触する。つまり第1話冒頭に戻ったわけで、ミステリー的にはここからが本番といえる。 灰川邸で生き残った6人のうち蒼佑は鬼籍に入り、神代健流(杢代和人)は行方が知れない。花音も姿を見せなくなった。その折、マヤ(仲万美)がビルの屋上から落ちて死亡する事件が起きる。終わったはずの灰川邸事件に結びつくマヤの死を、警察では冴木の元上司である五味(黒木メイサ)が追う。そして、マヤに取材していた森をたどって五味は冴木と再会することになった。