韓国当局、尹大統領に4度目の出頭要請も検討 30日にも判断か
韓国の高官犯罪捜査庁(高捜庁)は29日、「非常戒厳」の宣布を巡る内乱容疑などの事情聴取のため、尹錫悦(ユンソンニョル)大統領に3度目の出頭要請をしていたが、尹氏は出頭しなかった。出頭要請に3回程度応じない場合は逮捕状を請求するのが一般的とされ、高捜庁は近く決断を迫られる見通しだ。 【写真特集】過去にも逮捕、有罪相次ぐ… 主な歴代韓国大統領 ただ、聯合ニュースによると高捜庁は逮捕状請求の準備を進めつつ、4度目の出頭要請についても検討しているという。現職大統領が逮捕されれば史上初となるため、高捜庁としてもこれまでの捜査状況などを慎重に判断して結論を下す見通しだ。高捜庁関係者は韓国メディアに「迅速な身柄確保の重要性と、法的手続き順守の両面を考慮している」と述べた。早ければ30日中にも結論を出す見通しだという。 高捜庁は18日と25日にも出頭を要請したが、尹氏は応じなかった。このため29日午前10時に出頭するよう求めていた。現職大統領には在職中に刑事上の訴追を受けないとする「不訴追特権」が認められているが、内乱罪は例外となる。 尹氏側は高捜庁などの捜査よりも、弾劾訴追の是非を判断する憲法裁判所での審理への対応を優先する方針。聯合ニュースによると、尹氏の代理人弁護士は「高捜庁には内乱罪の捜査権がない」と主張している。【務安(韓国南西部)日下部元美】