「高額療養費制度」自己負担額引き上げの方針でまとまる 厚労省部会
医療費が高額な場合に自己負担額を抑える「高額療養費制度」をめぐり、厚生労働省の部会は、12日、自己負担の上限額を引き上げる方向で見直す案を了承しました。 「高額療養費制度」とは、医療費が高額になった場合に患者の負担を軽減するため、毎月の自己負担額に上限を設け、超えた分については払い戻しを受けられる制度です。 現状の制度では、たとえば年収約370万円~770万円の人で8万100円程度、年収約770~1160万円の人で16万7400円程度と、年収などに応じて異なる上限額が定められています。 厚労省はこれまで、保険料を支払う現役世代の負担を軽くするため、自己負担の上限額を引き上げる案を示していましたが、厚労省の部会は12日、これについて了承しました。 見直し案では上限額を決める年収ごとの区分を現状から増やして13区分とすることや、所得が低い人については自己負担の上限額の引き上げ率を小さくする配慮などを行うとしています。 一方、所得が一定以下の70歳以上の高齢者について、外来を受診した際の自己負担額が軽くなる「外来特例」をめぐっては、部会の委員からは、まずは「外来特例」の利用者の実態について把握すべきなどとして、自己負担額の引き上げや廃止について慎重な意見があがりました。 厚労省は、これまでの議論を踏まえて具体的な引き上げ額を検討し、早ければ来年夏以降の施行を目指したいとしています。