南房総の里山へ早春ハイキング 『南総里見八犬伝』ゆかりの富山(とみさん)を訪ねる
山頂でパノラマビューを堪能したら下山するが、時間があれば伏姫ノ籠穴を訪ねたい。ただし、2024年1月現在、山頂から籠穴へと下るコースは一部荒れている箇所があり、とくに下りは危険なので、もと来た道を下ろう。 無料駐車場がある所から南房総市立富山学園まで歩き、10分ほど歩くと籠穴の入り口に着く。春には桜が美しく、地元で大切にされてきた場所であることがわかる。遊歩道が整備されているので、籠穴まで往復しよう。伏姫ノ籠穴は、『南総里見八犬伝』に登場する伏姫と八房がこもったといわれる場所で、白珠と八個の珠が供えられている。
籠穴からは約1時間で岩井駅に戻ることができるが、「道の駅富楽里とみやま」まで足を延ばしてみよう。2023年7月にリニューアルオープンし、フードコートのほか、採れたての新鮮野菜や魚介類などを販売している直売・物産売場があるので、おすすめだ。
------------------------- 伊藤哲哉(いとう・てつや) 1969年、神奈川県生まれ、千葉県在住。北アルプス・南アルプス、房総の低山、上信越の山などを主なフィールドに撮影に通う。山岳雑誌に写真と記事を提供し、山と溪谷社から共著で『分県登山ガイド 千葉県の山』、『アルペンガイド 南アルプス』を出版。2020年12月、2021年4月に写真展「SEASONS~北岳~」、2023年6月に写真展「夏山讃歌~南アルプスの歌声」を開催。日本写真家協会(JPS)、日本山岳写真協会会員。 -------------------------
写真・文=伊藤哲哉