パリ五輪でも難しい判定が話題に。審判という仕事を考える【山本萩子の6-4-3を待ちわびて】第126回
熱く燃え上がったパリ五輪もまもなく閉幕。普段はあまり観戦しない競技でも、オリンピックになると熱心に見てしまうのが面白いですよね。 【写真】山本キャスターの最新フォトギャラリー 夜中に大きな声で叫びそうになったのが、男子バスケットボールの日本対フランス戦。終了間際まで4点リードで大金星かと思われたものの、残り10秒でファウルを取られて、同点に追いつかれます。延長戦で惜しくも敗れた日本代表ですが、その奮闘には多くの人が心打たれたはずです。 試合後にSNSでは「誤審では!?」という声も多く見られました。それだけ日本中が試合に熱くなっていたということでもありますが、試合後にファウルの瞬間を切り取った写真を見ると、これは確かに難しい判定だなと感じました。ビデオ判定である「チャレンジ」の権利が残っていたら......。我がヤクルトの、翌日の試合でのチャレンジの権利をひとつ差し上げたい......などと、あまりの悔しさゆえに考えていました(笑)。 これはオリンピックに限らず言えることですが、スポーツの試合において、熱くなるあまり選手が審判の判定に不満を示すシーンや、ファンの間でも判定をめぐって議論がなされることがあります。 審判が人間である限り、誤審はスポーツにつきものです。過去にも誤審で試合展開が大きく変わり、禍根を残したことがたくさんありました。 しかし、近年ではビデオ判定やAIなどを導入し、それを少しでも減らす努力がなされています。MLBでもマイナーではストライクゾーンを自動判定する装置が導入されていますし、審判のジャッジに異議を唱えたいときの「リクエスト」という制度は多くのスポーツで導入されています。 これは、繰り返されてきた誤審という悲劇を減らすための知恵でもありますよね。リクエストはその際たる例です。人間の審判だけでは判断できないことを、テクノロジーでカバーする。これは産業革命を経て、人間が辿ってきた歴史そのものと言えるのかも。 とはいえ"一軍"では、世界初となるAI審判を導入した韓国プロ野球で「すっぽ抜けがストライク判定される」という事件も起きています。まだまだ問題点も多いとのことですが、この先、もっとテクノロジーが進化したときにスポーツがどう変わっていくのか、ワクワクしますね。