柄本佑 大河ドラマの藤原道長役で感じたのは自分の若さ!?週7から2に減酒し挑んだ1年半の舞台裏
柄本佑さんが、巨匠との撮影の感想と、大河ドラマの撮影を終えて感じる自身の変化について語りました。 【写真14枚】セルフシャッターで自撮りに挑戦!柄本佑の写真を見る 大河ドラマ『光る君へ』(NHK)では藤原道長を演じ、最終回(12月15日)を迎えるにあたり、"道長ロス"の声も聞かれるほど注目を浴びている柄本さん。 このたび、初の著書となるフォトブック『柄本佑1stフォトブック「1(いち)」』(講談社)が、完全受注生産での発売が決定。本書は、柄本さんたっての希望で写真家・森山大道さんと荒木経惟さんによる特別撮り下ろし写真と、家族や学⽣時代、趣味、⽇常のことなどについて濃密に語ったインタビューを収録した60P超えの“私的マガジン”も同梱されます。 めざましmediaでは、1年半にわたった大河撮影や、オン・オフの切り替え方、約2年がかりで制作されたフォトブックに込められた思い、そして今後の自身の展望などについて聞きました。 撮影カットでは、より素の柄本さんを表現してもらうべく、セルフシャッターによるスマホでの撮影に挑んでもらいました。その撮影風景と合わせてインタビューをお届けします。
<柄本佑 インタビュー>
――今回、スマホのセルフシャッターで撮影をしていただきました。自撮りは普段からしていますか? 友達と集まった時にはしますが、自分1人を撮るということはあまりないかもしれません。以前、撮影現場で一緒になった若いスタッフたちが、海で「映える」と言って自撮りをしていたんですけれど、顔をちゃんと写さないでこうやって撮っていて(手をカメラの前に出して顔をカメラからそむける)。 「それ、顔写ってないじゃん」って言ったら、「いいんです、映えてます」って。カメラにピースをするのでも、体がこんな感じ(体を大きく傾けて)で、「これが映えているんです」って。なんだかこだわりが見えて「すごくいいな」と思ったことを思い出しました。 ――大河ドラマ『光る君へ』での藤原道長役も話題です。歴史上の人物を1年半にわたって演じて気づいたことや変化はありましたか? 自分の若さに気づかされました。大河ドラマって若いところから始まって年を重ねていくので、演じていくうえで“年齢”という問題が生じてきます。今回の大河に至っては、常にどこかキラキラしている青春のような時間があって、それを大切にしたいということもあり、「あまり老けさせずに」と考えていました。 それにしても、ある年齢を超えたら白髪が必要になるし、眉毛にも白いものが混じったりするし、ひげの端を長くしたりと一種の老けメイクが必要になる。体つきや姿勢、表情と声も気をつけるのですが、そうした時にどうしても自分の若さを感じました。 それはいいとか悪いということではなくて、「それを知れた」という感じです。うちの母がよく言っていた「四十、五十は洟(はな)垂れ小僧」(※渋沢栄一の名言)という言葉は本当なんだな、自分はまだまだ若いんだなって(笑)。 "年を取っていく"ということを自分なりに考えてみたりもしますが、昔の役者さんの"老けた"芝居を見ると、内容の厚みというか深さや人間的なものが断然違う。そう気づけたことも、今回の収穫だったなという感じがします。 ――長期間にわたる撮影、オンとオフの切り替えはどのように? 月曜から金曜までが撮影、土日はお休みがほとんどデフォルトな撮影形態だったので、"花金"を楽しみにしていて、平日が終わったらすぐにビール!という(笑)。 僕はお酒が好きなので、本来ほぼ毎日飲むという生活なのですが、撮影期間に何かあったら困るので、今回初めて月曜から木曜まではまったく飲まずに、金曜の撮影終わりと土曜だけ飲んで、また日曜からは飲まないというルーティンにしました。週7日飲んでたのを週2にしてみたんです。金曜さえ終わればビールが飲める!という気持ちでがんばりました。 ――そのルーティンにしてみていかがでしたか? それが、わりと調子が良かったというか、決めたルールの中に入り込むというのは「どうやら嫌いじゃない」ということがわかりました。意外と飲まずにもいけるんだなと、飲まない時間の楽しみ方も見出せましたね。 楽しみというのとは少し違うのかもしれませんが、「眠れないな」となったら、「もうしょうがない」と思ってソファにじっと座ったり、ベッドの脇にもたれたりして、じーっとしているのが意外に自分にとって良い時間になっているんですよね。思考が勝手に整理されていくのか、なんかボーッとするんです。 起きていると、掃除とか何かしら家のことをしなければいけないけれど、夜中なので何もできないのでじーっとしていられる。眠れない夜が自分をゆったりくるんでくれる感じで、それが意外と楽しみになっています。飲んでいたら飲んでいたで、動き回るし、結構忙しいんでしょうね。 逆に飲まずに「寝れないな」なんて思いながらボーッとしている時間が、サウナじゃないけれど「ととのう」みたいな感じです。一見、どうしようもないそんな時間が非常に豊かなものを生んでくれている気がして、割とその時間が楽しみになっています。 ――来年の予定や今後の目標を教えてください。 長い時間をかけてひとつの大きな作品が終わって、ゆっくりしながら考えたいと思いつつ、実は大河をやりながらも自分で監督をした短編集映画『ippo』が公開されたということもあって、関わってくれたスタッフやキャストの方々のためにもやらないといけないことがあります。 あとは、まだ具体的ではありませんが、ほかにも動いていることもあって。あまり時間の経たないうちに長編の監督作品も撮らないとなと思っています。