FFの4気筒か 四駆の6気筒か アルファ・ロメオ・ブレラ/スパイダー 英国版中古車ガイド(2)
多様なエンジンが存在 既に入手困難な部品も
アルファ・ロメオ・ブレラとスパイダーの欧州仕様には、ガソリンからディーゼルまで多様なエンジンが存在した。税金や維持費が異なるため、どれを選ぶべきかは良く考えたいところ。 【写真】ほぼ「コンセプトカーの姿」で量産 アルファ・ロメオ・ブレラ GTVにSZ 159と最新ジュリアも (116枚) 予算に応じてエンジンを選べる点は、今でも魅力の1つといえるだろう。ちなみに日本へは、2.2Lの4気筒と3.2Lの6気筒の2種類が正規導入された。 基本的なメンテナンスに必要な消耗品を除いて、交換部品は入手が難しくなっている。ただし、英国では熱心なアルファ・ロメオ・マニアも多く、独自に修理を済ませた再生部品が取引されている。パワーウインドウ・スイッチなどは特に心強い。 純正のエグゾーストシステムは、非常に珍しく高価。多くの場合、社外品へ交換されているようだ。 商談を進める前に、整備履歴と現在の状態をしっかり確かめる。横向きに搭載されたV6 エンジンの場合、手前側の点火プラグは交換しやすいものの、奥側は作業が少々面倒。稀に奥側だけ放置されている事があるため、注意したいところ。 エンジンがミスファイアを起こしているなら、点火プラグの劣化を疑う。あるいは、点火コイルの故障かもしれない。ディーゼルエンジンでは、パティキュレート・フィルターが不調になることがある。
長距離移動を楽々とこなすグランドツアラー
年式的に、ガソリンエンジンのタイミングチェーンや、ディーゼルエンジンのタイミングベルト、ウォーターポンプの交換など、大きな作業が迫っている場合が多い。継続的に乗るうえで不可欠といえるが、車両価格と比較すると高く感じられてしまうはず。 欧州では長距離を移動する目的で乗られた例も多く、ディーゼルエンジンでは特に走行距離は長め。MTが主流で、ATは少ない。スパイダーは全般的に走行距離が短く、ATも多い傾向がある。 スパイダーのソフトトップは、固定ラッチを外せば自動で開閉する。システムは故障しがちで、完全に動作するか予め確かめたい。新しい制御ユニットや油圧ポンプは入手できないようだが、英国には修理を引き受けてくれる専門ショップがある。 ボディやシャシーは、下回りにサビがないか、ホイールアーチ・ライナーが正しく固定されているか確かめたい。サスペンションは、アーム類やボールジョイント、スプリング、ハブベアリングなどの状態を調べる。純正部品は入手困難で、社外品の寿命は短い。 スポーツカーというよりグランドツアラー的で、乗り心地は快適志向。長距離移動を楽々とこなせる。サスペンションがヘタると、その魅力は霞んでしまう。