年末年始 関東など太平洋側は晴れて空気の乾燥進む 火の取り扱いだけでなく収れん火災にもご用心
この年末年始は、関東など太平洋側の広い範囲で晴れる日が多くなりそう。その分、空気の乾燥が進む見通しだ。年末年始は料理や暖房器具を使用する機会が増えるため、いつも以上に火の取り扱いに注意が必要。また、この時季は火を使用していなくても発生する「収れん火災」にも気を付けて、対策を行った方がいいだろう。
東京は今月のほとんど乾燥注意報が発表
最大9連休となる年末年始休み初日の28日(土)は、上空に強烈な寒波が流れ込んでいる影響で、太平洋側でも所々で雨や雪が降っている。和歌山県では正午過ぎに初雪を観測した。 ただ、空気を潤すほどではなく、太平洋側の広い範囲で乾燥注意報が発表されている。東京では今月7日から22日連続で乾燥注意報が発表されており、各地で火災のニュースも相次いでいる。
初日の出バッチリ予想も空気の乾燥は続く
太平洋側では29日(日)から、年が明けて1月5日(日)にかけてもおおむね晴れる見込みだ。気温の変化は大きく、31日(火)の大みそかの最高気温は東京都心で16℃、大阪は14℃など例年より暖かい年越しになりそう。元日も晴れて、初日の出を見られる所が多い見込みだが、晴天が続く分、空気の乾燥はさらに進む見通し。東京の最小湿度は、30%前後の日が多くなる予想だ。
年末年始は家族や知人などと家で集まる機会が増え、料理や暖房器具を使う機会も増えるかもしれない。火の取り扱いには、いつも以上に注意が必要だ。調理中は火のそばからは離れず、暖房器具の周囲には燃えやすい物や洗濯物などを置かないなどの対策が必要だ。また、喫煙する場合は絶対に寝たばこはせず、不要なプラグは抜いておくなどの対策も心掛けた方がいいだろう。
火を扱っていなくても火災は発生する
また、火を扱っていなくても火災が発生する「収れん火災」にも注意が必要。収れん火災とは、太陽光がレンズや鏡により反射、または屈折して1点に集まり、その場に可燃物があると発生する火災のことをいう。空気が乾燥している上に太陽の高度が低くなっている冬は、部屋の奥まで太陽光が差し込むため、収れん火災が発生しやすい季節となる。
消費者庁によると、収れん火災を引き起こす物の例としては鏡や透明な球体が多く、「水の入ったペットボトル」や「置き時計」など多岐にわたるという。年末年始は帰省などで家を空ける機会も増える可能性がある。窓際や太陽光が差し込む範囲に鏡やペットボトルなどを置かないようにし、外出する際はカーテンを閉めて遮光するなどの対策を行った方がいいだろう。 (気象予報士・鈴木悠)