【RIZIN】大みそかにフェザー級王者鈴木千裕が、元王者で過去に“負けた”クレベルと激突
RIZINファイティング・フェデレーション(FF)は5日、RIZINとして10回目となる大みそか大会「RIZIN DECADE(ディケイド)」(12月31日、さいたまスーパーアリーナ)についての記者会見を都内で開催。RIZINフェザー級王者・鈴木千裕(25=クロスポイント吉祥寺)が、かねて鈴木との対戦を熱望していた元同級王者クレベル・コイケ(35=ボンサイ柔術)を相手に防衛戦を行うと発表した。 今大会は「DECADE」の名を冠した3部構成のビッグイベントとなり、鈴木対クレベルは第3部の「RIZIN49」の中で行われ、開始時間は年を越した来年元日になる見通しだという。 登壇したクレベルがまず「今日のチャンスすごくうれしいです。1年半それを待っていたので。榊原さんありがとうございます。千裕ありがとうございます。この一戦で、私はベルトに戻りたいです」と話した。 一方、王者鈴木は「前回最後にクレベル選手と試合した時に、ノーコンテストですけど、自分の中では負けを認めているので。大みそかにリベンジして本当のチャンピオンに自分はなるので、それを楽しみにしていただけるとうれしいです」とリベンジを誓った。 試合が決定するまでクレベルが「千裕、逃げるな」などと挑発したこともあったが、クレベルはこの日、「ごめんね」と過去の発言について鈴木に謝罪。鈴木も「俺は格闘技の試合で1回も逃げたことはないんで。それは言葉のバリエーションが少ないからそういうワードになっただけで、別に何とも思ってないです」とわだかまりはないことを強調した。 RIZINの榊原信行CEOはこの一戦について「やはり10年を締めくくる、RIZINが自分たちの中で作り出した極上のカード。これは最強のチャレンジャー、クレベル・コイケが鈴木千裕と戦う。ベルトをかけて。今年の大みそか、今、僕の中ではこのカードが、今年10回目の大みそかを締めくくるメインカードだと思っています」と断言した。 王者の鈴木は身長173センチ、リーチ177センチ、体重66キロで、3歳から伝統派空手を始め、中学生の時にMMAに転向。16年大みそかに行われたRIZIN FFアマチュアMMA2016カンカCUPで優勝後、17年2月、パンクラスでプロMMAデビューした。 18年にはパンクラス・ネオブラッド・トーナメントフライ級で優勝。減量失敗を機に一時MMAを離れキックボクシングに転向後、怒濤(どとう)の5試合連続KO勝利でKNOCK OUT-BLACK(ヒジなし)スーパーライト級初代王座を戴冠した。 その後「二刀流を目指す」とMMA再挑戦を宣言し、21年9月にRIZIN初参戦。5連勝後の23年6月、クレベル・コイケの体重超過によるフェザー級変則王座戦ではアームバーを極められ敗れるも、ルール上ノーコンテストとなった。 同7月、開催4日前に緊急参戦の超RIZIN2でベラトール・フェザー級絶対王者パトリシオ・ピットブルをKOし世界を驚愕(きょうがく)させた。同11月、王者ヴガール・ケラモフの地元アゼルバイジャンに乗り込み1RKOで第5代王者に輝いた。 今年4月、金原正徳を1RKOし初防衛。6月のKNOCK OUTではパンチのみの特別ルールで五味隆典とドロー。同7月、ボクシング6階級制覇王者マニー・パッキャオとの対戦を負傷欠場。待望の復帰戦となる大みそか、稲妻の宿るその拳でかつてベルト戴冠のチャンスを阻んだ宿敵クレベルをマットに沈め、天下無双の絶対王者となれるか。 一方、ブラジル出身のクレベルは身長178センチ、リーチ183センチ、体重66キロ。14歳で来日し、ボンサイ柔術で柔術、MMAを学んだ。08年9月のDEEPでプロMMAデビュー。15年6月、REBEL FCフェザー級GPを制し王座獲得、10年以来MMA14連勝(一本で12勝)を飾る。 17年5月、KSWフェザー級王座戴冠。20年大みそか、RIZIN初参戦。5戦全勝で迎えた22年10月、王者の牛久絢太郎に挑戦し、2R三角絞めで一本勝ちを飾った。第3代RIZINフェザー級王者に輝くとともに、全て一本でRIZIN6戦全勝とし「柔術界の鬼神」から「RIZINの鬼神」となった。 しかし大みそかの対抗戦ではベラトール2階級覇者の強敵パトリシオ・ピットブルに判定負け。23年6月の初防衛戦では自身が400グラム体重超過し王座を剥奪されるも、鈴木千裕に1Rアームバーを極めノーコンテストに。9月の再起戦ではベテランの金原正徳に完封されて2連敗。後のない大みそか、かつて対戦の実現をめぐる因縁があった斎藤裕をダースチョークで極め、元王者対決を制して連敗を脱出した。 24年6月、元バンタム級王者で階級転向初戦のフアン・アーチュレッタから1R2分25秒ヒールフックでタップを奪うと、すかさず自身不在のタイトル戦線で王者として君臨する鈴木に対戦を直訴。大みそか、再び一本勝利で1年半ぶりにベルトをその手に取り戻すことができるか。