「声を上げた女性たちが置き去りに」松本人志“復帰待望論”のなかで見過ごされてしまった「重要な論点」とは
昨年のクリスマスにダウンタウン・松本人志氏のインタビュー記事が配信された。「松本人志が語る今の思い。そして見据える今後」では、訴えを取り下げた理由や今後の活動(独自のプラットフォーム「ダウンタウンチャンネル(仮)」創設)などについて語っていた。昨年の11月8日に松本氏は、文藝春秋との裁判終結が伝えられていた。 【画像】相方の浜田雅功とともに写る松本人志氏
スポーツ新聞はどう報じたか
《女性に性的行為を強要したとする「週刊文春」の記事をめぐり、お笑いコンビ「ダウンタウン」の松本人志さんが、発行元の文藝春秋などに5億5000万円の賠償を求めていた裁判で、松本さん側が11月8日、訴えを取り下げたことを発表しました。》(弁護士ドットコムニュース・2024年11月8日) では、松本氏の訴え取り下げについてスポーツ新聞はどう報じたのか? 芸能ニュースも大きく掲載するスポーツ紙は普段から密接に芸能界を取材している。記者らは裁判終結をどう見たのか? あらためて読み比べていこう(11月9日分)。まず日刊スポーツ。 『【記者の目】松本人志「週刊文春」裁判は約11カ月で幕 渡邊センスの裁判など未決着の案件も』 2~3年はかかるとされた裁判は約11カ月で幕を閉じた。双方に決着をつけたい思いはあった一方、長期化のデメリットも考えた上での落としどころになったと日刊スポーツは書く。具体的には文春側は第2回弁論準備へ向けて約20項目の証拠を提出していたと報じた。 その内容とは、「女性への取材内容や松本らとのやりとり、酒席にいた放送作家への取材データなど多様で、ここまでの報道にあまり出ていなかった同席タレントについてなども触れられていた。裁判が進めば当時の出来事がさらにつまびらかになり、『FRIDAY』の関連記事で訴訟を起こした渡邊センスや松本と同じく活動休止したスピードワゴン小沢一敬ら以外にも影響が及ぶ可能性は高かった」というものだ。 こうした展開が予想されたため松本氏側は落としどころを探ったという解説だ。一方の文春側も裁判が長期化すれば「取材にあたった記者はもちろん、記事内で被害を訴えた『A子』『B子』らが法廷で証言台に立っていたかもしれない」などのデメリットもあったと書く。