カメラ気遣う客席「全員が立つようなアリーナに」千葉J富樫勇樹が思い描く"ららアリ進化形”
■ あんなアリーナにしたい…富樫からファンへの要望
この“富樫vs比江島”のプレーも含め、試合序盤は怒涛の展開。試合後に比江島が「千葉側は明らかに声援に押されて波に乗っていた」と振り返った通り、クラブ史上最多入場者数となる9708人のファンが詰めかけたららアリーナが、ホームチームを猛烈にブーストする光景は圧巻だった。 チームのキャプテンを務める富樫は、「4階席も開放して素晴らしい雰囲気の中でプレーできた」とスタンドを真っ赤に染めた千葉Jファンへの感謝を示し、「歓声も含め、ファンの皆さんの熱が年々上がっているのを感じますし、新しいアリーナができて、さらにその一個上の雰囲気をつくっていけると実感した。より良いというか、ファンの方と一緒になって素晴らしいアリーナをつくっていければ良いなと思います」ともコメント。 今春に完成したばかりのららアリーナでの初の公式戦ということもあり、会見では何度か新ホームアリーナについての質問が飛んだなか、会見終盤には客席への“要望”とも言える言葉も飛び出した。 「日本のね、というか…。もっと全員が立つような場面があるようなアリーナにしていきたいですね。もちろんカメラを持って動画や写真を撮ってくれる人もたくさんいる中で、気を遣う場面もあるかもしれないですけど、色々なスポーツの会場に観に行って、やっぱりお客さんが自然と立ち上がってワーっとなる瞬間っていいな、と個人的に思うので、そういう試合会場、アリーナにしていきたいなと。新しいアリーナになったタイミングでもあるので、そういう雰囲気のチーム、アリーナにしていければいいなと思います」 9年間ホームアリーナとして使用してきた船橋アリーナ同様、この日も客席にはカメラを手にするファンたちが来場。レンズを通して選手たちの一挙手一投足を追う姿があった。これまでは、こういった“推し活”ともいえる文化が、千葉JおよびBリーグの人気を後押ししてきた側面があり、富樫もそれは重々承知の上での発言だ。 「さらにその一個上の雰囲気」をつくっていきたい富樫からの“煽り”に、千葉Jファンがどのように応えていくのか。新アリーナで変わりゆく(可能性がある)客席の様子も、今シーズンの注目ポイントの一つになるかもしれない。
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