自民、衆院政倫審の年内開催打診…不記載15人全員出席目指すが「当選したので勘弁してほしい」と抵抗も
自民党派閥で政治資金収支報告書に不記載があった問題を巡り、自民は9日、衆院政治倫理審査会で弁明を望む議員がいるとして、立憲民主党に早期開催を求めた。自民執行部は旧安倍派の萩生田光一・元政調会長ら15人の全員出席を実現したい考えだが、調整には手間取っているのが実情だ。 【写真】参院政倫審は非公開、石破首相「無意味ではない」
衆院政倫審で与党筆頭幹事を務める自民の村井英樹氏は、立民の寺田学・野党筆頭幹事と国会内で協議後、記者団にこう明らかにした。
衆院政倫審を巡っては、野党が5月、すでに出席した旧安倍、二階両派の中枢議員らを除く44人への審査を申し立て、全会一致で議決した。先の衆院選で多数が落選や引退するなどし、対象は15人に減った。
村井氏は開催日程について「できるだけ速やかに」としつつ、出席人数は「調整中だ」と慎重な姿勢を見せた。
村井氏が口を濁したのは、旧安倍派では、稲田朋美・元防衛相ら一部は出席も可能だとの考えを示しているものの、意見集約には至っていないためだ。
根強い抵抗
意向確認の作業は、旧安倍派の福田達夫幹事長代行を中心に進められているが、「選挙で受かったのだから、もう勘弁してほしい」(中堅)と抵抗は根強く、森山幹事長は5日、萩生田氏と面会し、関係議員を出席で取りまとめるように要請した。
萩生田氏は出席の前提として、問題の「年内決着」を森山氏に求め、関係議員と対応を協議したが、「本当に年内に決着がつくのか」などと異論が噴出し、結論はまだ出ていない。
そもそも萩生田氏には、石破首相(党総裁)が先の衆院選で、自身を政倫審で説明責任を果たしていないとして非公認としたことを巡り、「当時の執行部の指示もあって政倫審出席を見合わせたのに不当な扱いだった」との不信感があるとされる。
党執行部は、来夏の参院選への影響を避けるため、政倫審を衆参ともに開き、年内に問題を収束させる筋書きを描く。
しかし、旧安倍派内には「派閥の中枢議員以上の説明は難しく、問題の実態解明はまた進まなかったと批判されるのが関の山だ」との懸念も出ている。