本当は教えたくない幻のニュージーランド垂涎ワイン
さまざまなメディアでラグジュアリーライフを提案するコラムニストの中村孝則さんが、真の“贅沢”をご紹介する連載。
ファッションからカルチャー、旅やホテルからガストロノミーまで、ラグジュアリーライフをテーマに執筆活動を行っているコラムニストの中村孝則さんが、毎回1つのテーマのもとに真の“贅沢”をご紹介する連載です。今回のテーマは……。
■ 知る人ぞ知るニュージーランドの幻の垂涎ワイン「ワイマラマ」とは⁉
今回は“本当は教えたくない”ワインをご紹介します。冒頭からもったいぶった物言いで恐縮なのですが、本音はこれが“シンデレラ・ワイン”になったらイヤだなという思いから。俗にいうシンデレラ・ワインとは、無名に近かったワインが何かのきっかけで突然脚光を浴びて入手困難になってしまうことをいいます。まあ、そういう事例はごくごく限られた条件のワインだけですが。例えば、極めてポテンシャルが高く少量生産かつユニークな個性をもっていた、という場合でしょうか。 この「シャトー・ワイマラマ」は、そのポテンシャルをもったワインだと思っています。実際、まだ知名度は高くないですが、すでにワイン専門家たちからは高い評価を得ているのです。
右●『KIRARAKA 2014』(750㎖) ホークスベイ地区で注目されはじめたシラー100%の赤ワイン。プラムやブラックチェリーの風味に、スミレなどのフローラルな香りとクリスタルのような酸味が魅力の一本。1万8700円 左●『SSS 2009』(750㎖) シャトー・ワイマラマの畑で最上部のもっとも日当たりのいい区画のカベルネ・ソーヴィニヨン種の厳選したブドウのみを使用。新樽100%で16カ月熟成させ、シャトーで静かに瓶熟成させた最高傑作。1768本と極めて少量生産なシンデレラ級の一本。5万5000円/ともにワイマラマジャパン
「シャトー・ワイマラマ」は、ニュージーランド北島のホークスベイというエリアで造られています。ニュージーランドのワインといえば、ソーヴィニヨン・ブラン種の白ワインや、ピノ・ノワール種の赤ワインが有名ですが、このワインは珍しくメルロー種やカベルネ・ソーヴィニヨン種を主体としたボルドータイプのワインを目指しています。 ホークスベイは筆者も何度か訪れていますが、海に面しており、温暖な気候で美しい地域。降水量や風土もフランスのボルドー地域に似ています。 ニュージーランドでボルドータイプというだけでもユニークですが、注目すべきはこのワインが誰でもわかりやすいリッチな味わいではなく、トラディショナル・エレガンスとでも呼びたくなる、通好みの優雅な味わいを目指しているところ。